パラベンフリーのコスメは安全か?
パラベンは体に悪いイメージが定着しているため、パラベンフリーのコスメやシャンプーなどを選ぶ人も多いようです。
しかし、パラベンフリーは本当に安全なのでしょうか。
パラベンとは防腐剤の一種で、一般的に体に良くない物と言う通説があります。
そのため、このパラベンを使用していないパラベンフリーのコスメも存在します。
健康志向の人には、好んでパラベンフリーの商品を使用する人も多いようです。
今回は、このパラベンとは何なのか、本当に体に良くないのか、そしてパラベンフリーのコスメは本当に安全なのかを調べてみました。
この記事の目次
パラベンとは何か?
パラベンとは、パラオキシベンゾエート(パラオキシ安息香酸エステル類)の略称で、一般的に殺菌防腐剤として使用されている成分のひとつです。
パラベンには、いくつか種類があり、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、イソプロピルパラベン、ブチルパラベンなどがあります。
これらをひっくるめて、パラベン(パラオキシ安息香酸エステル類)と言います。
パラベンは、コスメ、食品、医薬品などに殺菌防腐剤としてよく使用されています。
他にも殺菌防腐剤はいくつかありますが、それらに比べて、パラベンは少量でも高い効果を発揮し、比較的安全と言われているため、広く使用されています。
日本の化粧品基準では、パラベンの使用量は1%以下と定められており、実際、コスメのパラベン含有量は、0.1~0.5%程度となっているようです。
パラベンの黒歴史とは?
1980年に、当時の厚生省が商品に対して「アレルギー反応を起こす可能性があるものを配合する場合は、容器やパッケージ等に表示しなくてはならない。」と定めました。
ちなみに、それ以前は、商品に成分表示の義務がありませんでした。
そして、石油合成成分(有害化学物質)のうち、皮膚障害を起こす可能性のある成分で、過去にアレルギーや皮膚疾患、発ガン性等の症例が報告された成分の中から102種類の成分を表示指定成分として定めました。
パラベンは、2001年の3月まで、この表示指定成分のひとつでした。
そのため、パラベンは体に悪いと言うイメージが定着しているようです。
ちなみに、現在は医薬部外品以外は、全成分表示が義務になっています。
パラベンの危険性とは?
パラベンが表示指定成分に定められたのは30年以上も前のことです。
ですから、現在と当時の状況はかなり変化しており、当時の表示指定成分が現在でも危険とは言い切れません。
特にパラベンについては、その後様々な実験や研究がなされ、改良も進み、現在のパラベンはほとんど肌に影響を与える心配はないと言われています。
また、前述のとおりコスメに使用されるパラベンの量は非常に少なくなっているため、安全面においてほとんど問題ないと思われます。
それどころか、現在パラベンは殺菌防腐剤の中で、もっとも安全性に優れ、高い効果を発揮する成分のひとつとして、歯磨き粉や目薬などの日用品や医薬品から食品にまで幅広く使用されています。
パラベンフリーコスメとは?
パラベンフリーコスメとは、パラベンを含んでいないコスメのことです。
では、パラベンフリーコスメは安全でしょうか。
そもそもコスメに防腐剤が入っていないと、どうなるでしょうか。
空気中の雑菌や、手に付着していた雑菌がメイク商品に移って雑菌が繁殖し、すぐに使えなくなるでしょう。
雑菌が繁殖したコスメを使ったら、それこそ皮膚が炎症を起こしたり、アレルギーを発症するでしょう。
特に、水分を多く含むコスメの場合、水が腐って変質しやすいです。
また、多くのコスメに含まれる油は微生物が繁殖しやすいのです。
このように、防腐剤を一切使わないコスメは雑菌が繁殖しやすいので、実質あり得ません。
実は、パラベンフリーコスメには、パラベンの代わりに別の防腐剤が使用されています。
しかも、表示指定成分に認定されなかった成分でも、アレルギー反応を起こす原料は数多く存在します。
つまり、表示指定成分以外であれば安全というわけではないのです。
ですから、パラベンフリーコスメは安全かと言われると、別の防腐剤が使用されているため、必ずしも安全とは言い切れません。
防腐剤無添加コスメとは?
前述の通り、防腐剤はコスメが腐らないように配合されています。
防腐剤を一切使わないコスメは腐りやすいため、非常に危険ですので、商品として販売されることはまずあり得ません。
通常、コスメは未開封で3年以上腐らずに使用できなければならないと定められています。
そのため、何らかの防腐剤が必ず使用されているのです。
ただし、防腐剤無添加コスメと言われる商品の中には、分類上防腐剤ではないけれど、防腐剤と似たような殺菌作用がある成分を使用していることもあるようです。
結局、もっとも安全なコスメとは?
結論としては、すべてのコスメには、商品が腐らないように、次のいずれかが含まれています。
- パラベン
- パラベン以外の防腐剤
- 防腐剤以外の防腐効果を持つ成分
そして、現在最も安全とされる防腐剤はパラベンです。
冒頭で述べたとおり、パラベンは長年研究を重ねて改良され、ごく少量でも高い殺菌防腐効果を出せるようになっており、安全性も飛躍的に向上しています。
そして、パラベンはコスメ以外の様々な日用品や食品にも含まれているのです。
だからと言って、完全に安全と言うわけではなく、人によっては皮膚炎やアレルギー湿疹を起こすこともあります。
しかし、それはパラベン以外の成分についても同様に言えることです。
ですから、コスメを購入する前に、試供品などで肌に合うかどうか確認することが大切です。
もし、肌が赤くなったり、かゆみなどが発生したら、そのコスメに含まれる何らかの成分が肌に合わないと言うことになります。
◆まとめ
パラベンフリーと聞くと、なんとなく安全で肌に良さそうな気がしませんか?
しかし、実際は、パラベンフリーのコスメが必ずしも他のコスメより安全と言うわけではないことは、お分かりいただけたでしょうか。
むしろ、長年研究されて改良されてきたパラベンの方が安全なのです。
ただし、何でもそうですが100%安全と言える成分はありません。
体質によって合う合わないがありますので、まずは試してみることが大切です。
コスメを購入する際は、宣伝文句やイメージに振り回されないようにしましょう。
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