【くるみ】脳も肌も若返る!脳を活性化し、肌も髪も美しくする「くるみ」の栄養効果7つ
くるみは脳にいいと言われ、集中力がアップするとか認知症予防に効果があると言われます。
実はくるみには美肌効果もあり、脳も肌も若返ります!
疲労回復効果もありますので、職場で机の引き出しに常備しておくのもいいですね。
手軽に食べられて、おやつにもぴったり。
そんなくるみの特に優れた効果を7つご紹介します。
この記事の目次
脳を活性化し、肌も髪も美しくする「くるみ」
くるみは、古代ペルシャなどが原産地で、紀元前7000年頃から食用にされていたと言われています。
日本在来種のくるみも存在し、縄文時代の遺跡からオニグルミなどが食料とされていたことがわかっています。
現在のクルミの生産量は、1位 中国、2位 アメリカ(カリフォルニア州)、3位 ウクライナ、4位 トルコの順になっています。
日本でクルミの生産量が最も多いのは長野県で、くるみ味噌、くるみそばや、くるみゆべしなど様々な製品が生産されています。
くるみは脳の形に似ていることから脳に良いと言われますが、実際、脳を活性化させる働きがあります。
更に、血行を良くし、肌や髪を美しくする効果も期待できます。
くるみの栄養成分比較表
くるみ100gに含まれる営養素は、次の通りです。
各種の種実類100gに含まれる栄養成分と比較しています。
※各栄養素の含有率が、最も高い数値の背景を赤にしています。
※トコフェロールとは、ビタミンEのことです。
※不飽和脂肪酸は動物性脂肪酸、一価不飽和脂肪酸はオメガ9系、n3系不飽和脂肪酸はオメガ3系、n6系不飽和脂肪酸はオメガ6系脂肪酸を指します。
成分 | ぎんなん | 栗 | くるみ | ピスタチオ | マカダミアナッツ | アーモンド | ピーナッツ | カシューナッツ |
1粒の重量 (g) | 1.6 | 19 | 2 | 0.5 | 2 | 1 | 0.7 | 1.5 |
一日の適量 (g) | 16 | 100 | 20 | 20 | 20 | 20 | 20 | 20 |
エネルギー (kcal) | 174 | 167 | 674 | 615 | 720 | 608 | 585 | 576 |
たんぱく質 (g) | 4.6 | 3.5 | 14.6 | 17.4 | 8.3 | 20.3 | 26.5 | 19.8 |
トリプトファン (mg) | 77 | 45 | 200 | 270 | 96 | 220 | 不明 | 360 |
水溶性食物繊維 (g) | 0.2 | 0.3 | 0.6 | 0.9 | 微量 | 1.1 | 0.3 | 0.8 |
不溶性食物繊維 (g) | 2.2 | 6.3 | 6.9 | 8.3 | 6.2 | 10.0 | 6.9 | 5.9 |
脂質類 | ぎんなん | 栗 | くるみ | ピスタチオ | マカダミアナッツ | アーモンド | ピーナッツ | カシューナッツ |
脂質 (g) | 1.5 | 0.6 | 68.8 | 56.1 | 76.7 | 54.1 | 49.4 | 47.6 |
飽和脂肪酸 (g) | 0.15 | 0.11 | 6.87 | 6.15 | 12.46 | 4.13 | 10.76 | 9.97 |
一価不飽和脂肪酸 (g) | 0.45 | 0.06 | 10.26 | 30.92 | 59.23 | 35.09 | 20.57 | 27.74 |
n3系不飽和脂肪酸 (g) | 0.03 | 0.06 | 8.96 | 0.20 | 0.09 | 0.01 | 0.10 | 0.08 |
n6系不飽和脂肪酸 (g) | 0.53 | 0.25 | 41.32 | 16.22 | 1.47 | 12.64 | 16.72 | 8.00 |
ミネラル類 | ぎんなん | 栗 | くるみ | ピスタチオ | マカダミアナッツ | アーモンド | ピーナッツ | カシューナッツ |
ナトリウム | 1 | 1 | 4 | 270 | 190 | 微量 | 2 | 220 |
カリウム (mg) | 580 | 460 | 540 | 970 | 300 | 740 | 770 | 590 |
カルシウム (mg) | 5 | 23 | 85 | 120 | 47 | 260 | 50 | 38 |
マグネシウム (mg) | 45 | 45 | 150 | 120 | 94 | 310 | 200 | 240 |
鉄 (mg) | 1.2 | 0.7 | 2.6 | 3.0 | 1.3 | 3.7 | 1.7 | 4.8 |
亜鉛 (mg) | 0.4 | 0.6 | 2.6 | 2.5 | 0.7 | 3.7 | 3.0 | 5.4 |
ビタミン類 | ぎんなん | 栗 | くるみ | ピスタチオ | マカダミアナッツ | アーモンド | ピーナッツ | カシューナッツ |
βカロテン当量 (μg) | 290 | 37 | 23 | 120 | 微量 | 9 | 7 | 10 |
αトコフェロール (mg) | 1.6 | 0 | 1.2 | 1.4 | 微量 | 28.8 | 10.6 | 0.6 |
γトコフェロール (mg) | 0.3 | 3.3 | 23.6 | 25.5 | 0 | 0.7 | 7.1 | 5.4 |
ビタミンK (mg) | 3 | 0 | 7 | 29 | 5 | 0 | 微量 | 28 |
ビタミンB1 (μg) | 0.26 | 0.17 | 0.26 | 0.43 | 0.21 | 0.03 | 0.23 | 0.54 |
ビタミンB2 (μg) | 0.07 | 0.08 | 0.15 | 0.24 | 0.09 | 1.04 | 0.10 | 0.18 |
ビタミン類 | ぎんなん | 栗 | くるみ | ピスタチオ | マカダミアナッツ | アーモンド | ピーナッツ | カシューナッツ |
ナイアシン (mg) | 1.0 | 1.0 | 1.0 | 1.0 | 2.1 | 3.9 | 17.0 | 0.9 |
ビタミンB6 (mg) | 0.02 | 0.26 | 0.49 | 1.22 | 0.21 | 0.08 | 0.46 | 0.36 |
葉酸 (μg) | 38 | 76 | 91 | 59 | 16 | 48 | 57 | 63 |
パントテン酸 (mg) | 1.02 | 1.06 | 0.67 | 1.06 | 0.50 | 0.26 | 2.19 | 1.32 |
ビタミンC (mg) | 23 | 26 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
参考:食品成分データベース
くるみに豊富に含まれる「α-リノレン酸」とは
くるみは、脂肪が約7割を占めます。
脂肪と聞くと体に悪いと思われそうですが、くるみには、体に良いとされる必須脂肪酸のオメガ3脂肪酸に分類されるα-リノレン酸が豊富に含まれています。
ナッツ類は脂肪が豊富ですが、オメガ3脂肪酸を豊富に含むのは、クルミだけです。
オメガ3脂肪酸は、主に青魚に豊富に含まれており、現代人の食生活では不足する傾向にあるため、積極的に摂取する必要があります。
くるみに含まれるα-リノレン酸は、青魚に多く含まれているDHAの仲間で、体内でDHAに変化します。
また、脂肪酸を摂取する際、重要なのは、その量の比率です。
n3系脂肪酸とn6系脂肪酸は、1:4の比率が理想と言われています。
くるみには、n3系脂肪酸とn6系脂肪酸が、ほぼ理想の比率で含まれています。
脂肪酸の種類と特徴については、こちらの記事をご覧ください。
⇒ 美肌と健康を左右するオイルのヘルシーな摂り方
くるみの栄養効果
美肌効果
α-リノレン酸には、血行を良くする働きがありますので、顔のくすみがとれて、透明感のある肌を作ります。
また、血行が良くなると体の代謝がアップして、肌のターンオーバーを促進します。
肌のターンオーバーが促進されると、肌荒れやニキビなどが治りやすくなります。
くるみには良質なタンパク質やミネラルが豊富に含まれているため、肌再生が促進され、美しい肌を維持する効果があります。
更に、くるみにはビタミンEなどの抗酸化物質が豊富に含まれているため、老化を抑制し、肌を若々しく保つ効果があります。
髪を美しくする効果
α-リノレン酸の働きで、血行が良くなり代謝があがるので、頭皮の血行も良くなります。
そのため、薄毛の予防、改善に効果があります。
また、良質なタンパク質と豊富なミネラルのお陰で、髪も美しくなります。
くるみには抗ストレス作用もあるため、ストレスによる抜け毛を防ぐ効果も期待できます。
認知症の予防、改善
くるみは、ポリフェノールやビタミンなどを含み、老化を抑制する抗酸化作用が高い点が特徴です。
そのため、脳細胞を若々しく保ち、アルツハイマーなどの認知症の予防や改善に効果があると言われています。
くるみに含まれるα-リノレン酸は、血液をサラサラにするため、脳内の血管の詰まりを防ぐ効果があります。
α-リノレン酸の一部は、体内でDHAに変化します。
DHAは脳の海馬に多く含まれており、海馬は集中力や記憶力を司っているため、DHAを摂取すると学習能力や記憶力が向上すると言われています。
頭を使うと、シナプスと呼ばれる神経細胞間で情報伝達が行われますが、DHAはシナプスの活動を活発にする働きがあります。
そのため、DHAを摂取すると、情報伝達能力がスムーズに行われ、集中力や記憶力が向上すると考えられています。
更に、くるみに含まれるトリプトファンは、体内でメラトニンという神経伝達伝達物質に変換され、脳内の酸化を防ぐ働きがあるため、脳細胞の老化を抑制する効果があるとみられています。
生活習慣病の予防、改善
α-リノレン酸には、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす働きがあり、メタボリックシンドロームの予防、改善に効果があります。
また、血液をサラサラにして、血流を良くする働きがあるため、血栓ができにくくなり、動脈硬化や高血圧、脳梗塞、心筋梗塞などの予防、改善に効果があります。
更に、くるみにはビタミンEをはじめとする抗酸化物質が豊富に含まれているため、血管を若々しく保つ効果もあります。
米国ウェストバージニア州マーシャル大学医学部の研究では、「遺伝子解析によって、マウスとヒトの両方で乳がんと関連する複数の遺伝子の活性が、くるみ食によって変化することが判明した」と報告されており、がんへの効果も期待されています。
体力回復
くるみは、体力を維持するために必要な脂肪酸やたんぱく質、ビタミン類、ミネラルを豊富に含んでいます。
そのため、子供や高齢者はもちろん、病後の体力回復にも向いています。
更に、「疲労回復ビタミン」と言われるビタミンB1を多く含んでいるため、疲労物質と言われる乳酸の分解を促進し、疲れをとる効果もあります。
不眠症改善
くるみには、トリプトファンというアミノ酸が多く含まれており、メラトニンの分泌を促進する働きがあります。
メラトニンは、神経を落ち着かせて眠りを誘発するホルモンで、寝つきを良くする効果があります。
また、くるみに含まれているカルシウムやビタミンB1にも、神経をリラックスさせる効果があります。
これらの作用で、くるみは不眠症に効果があると言われています。
骨粗鬆症の予防
アメリカのペンシルベニア州立大学の研究にて、くるみに含まれるα-リノレン酸は骨を丈夫にするという研究結果が報告されています。
骨には骨代謝と呼ばれる機能が存在し、古い骨を壊して吸収する骨吸収と、新しい骨を作る骨形成が繰り返されています。
研究では、α-リノレン酸に骨の吸収を抑制する作用があるとして、骨形成を活性化させる効果が期待されています。
■まとめ
くるみの1日の摂取適量は、約20g(約10粒)です。
くるみは健康に良い食べ物ですが、摂り過ぎると脂肪酸の摂取量が過剰となり、逆効果となってしまいますので、食べ過ぎに注意しましょう。
また、くるみは充分、咀嚼(そしゃく)することで、健康に良い脂肪酸の吸収率がアップするので、意識して良く噛むことをお勧めします。
硬い殻に覆われた状態のくるみを2個、片手で握ってこすり合わせると、脳細胞を活性化させ、ボケ防止になると昔から言われています。
これは、指先を動かす行為と、手のひらのツボを刺激する行為が体に良いのだと思われます。