【大根、かぶ】胃腸や喉の痛み、口内炎にも効く!葉はビタミンの宝庫!
大根やかぶの栄養効果をご存知ですか?
喉の炎症、口内炎、胃腸炎から、がんの予防、抑制まで、多くの健康効果があります。
更に、葉の部分にも優れた栄養効果があります!
実際に、どんな効果があるのか詳しくご紹介します。
この記事の目次
胃腸にやさしい大根とかぶ
大根はアブラナ科ダイコン属の野菜で、かぶはアブラナ科アブラナ属の野菜です。
どちらもアブラナ科で、含まれる営養素は似ています。
消化酵素が豊富で、胃腸の炎症を抑え、消化を助けて、胃腸の健康を維持する効果があります。
また、どちらも普段は白い根の部分を食べる機会が多いと思いますが、葉の部分も食べられます。
しかも、大根やかぶの葉は、非常に栄養価が高く、優れた健康効果と美肌効果があります。
是非、葉がついている大根やかぶを購入して、葉の部分も食べることをお勧めします。
大根もかぶも、昔から日本で親しまれてきた野菜で、春の七草にも含まれています。
春の七草は、芹(せり)、薺(なずな)、御形(ごぎょう)、繁縷(はこべら)、仏の座(ほとけのざ)、菘(すずな)、蘿蔔(すずしろ)になります。
このうち、菘(すずな)は「かぶ」を指し、蘿蔔(すずしろ)は「大根」を指しています。
では、大根とかぶ、そして、それぞれの葉の栄養成分と栄養効果について、ご紹介します。
大根、かぶの栄養成分比較表
大根とかぶ、それぞれ100gに含まれる営養素は、次の通りです。
各種の根菜類100gに含まれる栄養成分と比較しています。
※各栄養素の含有率が、最も高い数値の背景を赤にしています。
※トコフェロールとは、ビタミンEのことです。
成分 | だいこん | 大根の葉 | かぶ | かぶの葉 | ごぼう | にんじん | れんこん |
エネルギー (kcal) | 18 | 25 | 21 | 22 | 65 | 36 | 66 |
たんぱく質 (g) | 0.4 | 2.2 | 0.6 | 2.3 | 1.8 | 0.8 | 1.9 |
炭水化物 (g) | 4.1 | 5.4 | 4.8 | 4.4 | 15.4 | 8.7 | 15.5 |
水溶性食物繊維 (g) | 0.5 | 0.8 | 0.3 | 0.5 | 2.3 | 0.6 | 0.2 |
不溶性食物繊維 (g) | 0.8 | 2.8 | 1.1 | 3.2 | 3.4 | 1.8 | 1.8 |
ミネラル類 | だいこん | 大根の葉 | かぶ | かぶの葉 | ごぼう | にんじん | れんこん |
ナトリウム (mg) | 17 | 28 | 5 | 18 | 18 | 34 | 24 |
カリウム (mg) | 230 | 180 | 250 | 180 | 320 | 270 | 440 |
カルシウム (mg) | 23 | 220 | 24 | 190 | 46 | 26 | 20 |
マグネシウム (mg) | 10 | 22 | 8 | 14 | 54 | 9 | 16 |
鉄 (mg) | 0.2 | 2.2 | 0.2 | 1.5 | 0.7 | 0.2 | 0.5 |
亜鉛 (mg) | 0.1 | 0.2 | 0.1 | 0.2 | 0.8 | 0.2 | 0.3 |
ビタミン類 | だいこん | 大根の葉 | かぶ | かぶの葉 | ごぼう | にんじん | れんこん |
βカロテン (μg) | 0 | 4400 | 0 | 3200 | 1 | 6700 | 3 |
αトコフェロール (mg) | 0 | 4.9 | 0 | 3.3 | 0.6 | 0.5 | 0.6 |
ビタミンK (μg) | 微量 | 340 | 0 | 370 | 微量 | 18 | 0 |
ビタミンB1 (μg) | 0.02 | 0.01 | 0.03 | 0.02 | 0.05 | 0.07 | 0.10 |
ビタミンB2 (μg) | 0.01 | 0.06 | 0.03 | 0.05 | 0.04 | 0.06 | 0.01 |
ナイアシン (μg) | 0.2 | 0.1 | 0.6 | 0.2 | 0.4 | 0.7 | 0.4 |
ビタミン類 | だいこん | 大根の葉 | かぶ | かぶの葉 | ごぼう | にんじん | れんこん |
ビタミンB6 (mg) | 0.05 | 0.10 | 0.07 | 0.14 | 0.10 | 0.10 | 0.09 |
葉酸 (μg) | 33 | 54 | 49 | 66 | 68 | 23 | 14 |
パントテン酸 (mg) | 0.11 | 0.11 | 0.23 | 0.24 | 0.23 | 0.33 | 0.89 |
ビタミンC (mg) | 11 | 21 | 18 | 47 | 3 | 6 | 48 |
参考:食品成分データベース
大根とかぶの栄養効果
胃腸の健康をサポート
大根やかぶには、アミラーゼ(ジアスターゼ)と呼ばれる消化酵素が含まれています。
アミラーゼは、でんぷんを分解し、胃腸での消化を助ける働きをします。
そのため、胃もたれや胸やけを予防、解消する効果があります。
体内の消化酵素は、年齢と共に減少すると言われています。
胸焼けすることが多くなったと感じたら、食事の時に大根やかぶを擦り下ろして食べることをお勧めします。
また、大根やかぶを磨り下ろすと、イソチオシアネートと言う辛み成分が発生します。
イソチオシアネートは、胃液の分泌を促進して、胃腸の健康を維持する効果があります。
更に、食物繊維も豊富に含まれており、腸内環境を改善する効果があります。
このように、胃腸の健康を維持する効果がたくさんありますので、大根やかぶは、胃腸が弱い人に特にお勧めの食材です。
尚、イソチオシアネートは大根やかぶをはじめとするアブラナ科の野菜に含まれており、植物の細胞に傷がついたときに発生します。
ですから、大根やかぶを切るだけより、磨り下ろした方がより多く摂取できます。
便秘や下痢を解消する効果
便秘や下痢は、腸内環境を悪化させ、病気や体調不良を引き起こします。
また、腸内環境が悪いと、肌荒れやニキビ、吹き出物ができる原因にもなります。
健康にも美肌のためにも、腸内環境を良くすることは大切です。
大根やかぶには食物繊維が豊富に含まれており、腸内の善玉菌を増やして、腸内環境を改善する効果があります。
食物繊維は、腸内の有害物質や老廃物を体外に排出するデトックス効果や、下痢、便秘を解消する効果もあります。
このため、大根やかぶは、下痢や便秘に悩んでいる人にもお勧めの食材です。
美肌効果
大根やかぶには、美肌効果の高いビタミンCが含まれています。
ビタミンCは、コラーゲンの生成に欠かせない成分です。
肌のコラーゲンが不足すると、肌が乾燥して、肌荒れしやすくなります。
肌にとって乾燥は大敵で、肌荒れ、ニキビ、しみ、しわなどかできやすくなり、肌が老化してしまいます。
ビタミンCには、肌を潤して、弾力のある若々しい肌を作る効果があります。
また、シミの原因であるメラニン色素が生成されるのを抑える働きもあり、美白効果も期待できます。
免疫力の向上
免疫力とは、体に有害な細菌やウィルスに対抗する力のことで、免疫力が弱いと、病気にかかりやすくなります。
ビタミンCには、細菌やウィルスを攻撃して、免疫力を高める効果があります。
免疫力が高いと、風邪にかかりにくくなり、風邪をひいても治りやすくなります。
血中のビタミンC濃度が低いと、風邪をひきやすくなり、ビタミンC濃度が高まると、風邪が回復することがわかっています。
また、白血球は体内の細菌やウィルスなどの有害物質を攻撃する働きを持ちますが、ビタミンCは、この白血球の働きを助けて、細菌やウィルスに対する攻撃力を強化する効果があります。
更に、コラーゲンは細胞同士を繋ぐ役割を持ちますが、ビタミンCはコラーゲン生成を促進する働きがあり、風邪などのウイルスが体内に侵入しにくい環境を作ります。
抗生物質では効果のないウイルスを破壊する効果を持つインターフェロンという物質がありますが、ビタミンCは、このインターフェロンの生成を促進する働きを持ちます。
インターフェロンは、B型肝炎やC型肝炎の特効薬として期待されています。
以上のように、大根やかぶには免疫力を高め、風邪などの感染症を予防し、病気の回復を早める効果があります。
がんの予防、抑制
大根やかぶに含まれるイソチオシアネートは、発がん物質の活動を抑制し、発がん物質の解毒を助ける作用があります。
がんの予防だけでなく、がんになってしまった人にも効果があると言われており、イソチオシアネートはがんの特効薬として、現在もっとも注目されている物質です。
イソチオシアネートは、そのままの大根には存在せず、磨り下ろすことで発生します。
かぶも同様に、磨り下ろすことでイソチオシアネートが発生します。
ですから、イソチオシアネートの効果を得たいときは、大根やかぶを磨り下ろして食べてください。
生活習慣病の予防、改善
ほとんどの病気は、体内に発生する活性酸素が細胞を酸化して傷つけることが原因と言われています。
ビタミンCは、病気の原因となる活性酸素を除去する抗酸化作用があります。
また、ビタミンCには、血中の悪玉コレステロールを減少させる効果があります。
血液中の悪玉コレステロールが増加すると、血管の内壁に脂質が付着して、血管を狭めてしまうため、血流が滞って高血圧や動脈硬化などが引き起こされます。
更に、大根やかぶに含まれるカリウムには、血圧の上昇を抑える働きがあります。
偏った食事やアルコールの飲み過ぎは、高血圧を引き起こす原因となります。
カリウムを摂取することによりナトリウムの排出を促し、高血圧を予防、改善する効果があります。
これらの作用から、大根やかぶには動脈硬化や高血圧を予防、改善する効果があります。
また、動脈硬化や高血圧を防ぐことができると、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞などの生活習慣病全般の予防に繋がります。
むくみの予防、改善
大根やかぶに含まれるカリウムには、体内の余分な塩分や水分を体外に排出する働きがあります。
現代の食事は、塩分が多く、カリウムなど他のミネラルは不足する傾向にあります。
体内のカリウムとナトリウムのバランスが崩れると、細胞内のナトリウムの濃度を下げるため血管に水分がたまって膨張します。
その結果、血圧が高くなり、むくみが発生します。
カリウムを摂取することで、体内のミネラルのバランスが良くなります。
このため、大根やかぶを摂取すると、むくみの予防・改善に効果があります。
抗炎症効果、解熱効果
大根やかぶの磨り下ろし汁に含まれるイソチオシアネートには、抗菌作用、抗炎症作用、解熱作用があります。
そのため、大根おろしやかぶを磨り下ろした汁に、はちみつを入れて飲むと、喉の炎症を鎮めて痛みを緩和する効果があります。
また、磨り下ろし汁でうがいをすると、喉の痛みや口内炎、歯肉炎などの炎症にも効果があります。
大根やかぶに含まれているカリウムやビタミンCには利尿作用があり、解熱作用を助ける効果があります。
更に、大根やかぶに含まれる食物繊維は、胃腸の炎症を抑える作用があります。
大根とかぶの葉の栄養効果
大根やかぶの葉には、ビタミンやミネラルが豊富に含まれています。
表からわかるように、非常に栄養効果が高いので、食べないともったいないです。
ここでは、大根やかぶの葉の部分について、特に優れた栄養効果をご紹介します。
風邪の予防
大根の葉にはβカロテンが豊富に含まれており、βカロテンは体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜を丈夫にする効果があります。
その結果、細菌やウイルスから体を保護し、体の免疫力を高める効果があります。
大根やかぶの葉には、ビタミンCとビタミンAが含まれていますが、どちらも免疫力を向上させる効果があるので、相乗効果で健康を維持するために高い効果が期待できます。
がんの予防、改善
がんは、細胞の遺伝子が活性酸素によって傷つけられることが原因で発生します。
β-カロテンやビタミンCは抗酸化作用が強く、遺伝子の損傷を防ぐ効果がありますので、がんの予防や抑制の効果が期待できます。
生活習慣病の予防、改善
大根やかぶの葉には、ビタミンCやβカロテンなど、抗酸化作用のある物質が豊富に含まれています。
そのため、高血圧や動脈硬化を防ぎ、様々な生活習慣病の予防、改善に高い効果を発揮します。
美肌効果
大根やかぶの葉に含まれるビタミンCやβカロテンは抗酸化作用が強いため、高い老化抑制効果が期待できます。
ビタミンCやβカロテンには、肌の老化を抑制し、しわやシミができるのを防ぎ、肌を潤し、弾力や艶のある若々しい肌を実現する効果があります。
貧血を予防する効果
大根やかぶの葉には、鉄や葉酸が豊富に含まれています。
鉄は赤血球を構成する成分で、葉酸は赤血球の形成を助ける働きをします。
赤血球は酸素を全身に運ぶ役割を持っており、赤血球の量が減ると、体が酸素不足になり、疲れやすくなり、すぐに動悸や息切れがしたり、立ちくらみがするなどの貧血症状が現れるようになります。
ですから、鉄や葉酸を豊富に含む大根やかぶの葉を摂取すると、貧血の予防・改善に効果があります。
葉の部分の美味しい食べ方
大根やかぶの葉は、ご紹介したとおり非常に栄養価が高いので、是非、食べて欲しい食材のひとつです。
簡単な調理例をご紹介します。
- スープや味噌汁の具として入れる
- 野菜や肉と一緒に炒める
- 軽く茹でてから水分を絞って、お浸しにする
このように、様々な調理に使用できで、意外と使い勝手が良いです。
味が馴染めない場合は、細かく刻むと食べやすくなります。
是非、試してみてください。
<まとめ>
大根とかぶは、消化酵素アミラーゼ(ジアスターゼ)や、辛み成分イソチオシアネートの働きで、消化を助け、胃腸の健康を維持する効果があります。
辛み成分であるイソチオシアネートは、大根やかぶを磨り下ろすことで発生します。
イソチオシアネートには、抗菌作用、抗炎症作用、解熱作用などがあり、口内炎や胃腸炎、喉の痛みなどにも効果があります。
また、炎症を抑えることで、がんの予防や抑制にも効果があると言われています。
どれか、気になる症状がある場合は、大根おろしやかぶを磨り下ろして食べることをお勧めします。
また、大根とかぶの葉は非常に栄養価が高く、各種ビタミンやミネラルが豊富なので、高い健康効果や美肌効果が期待できます。
是非、大根とかぶの根の部分だけでなく、葉の部分も食べてみてください。
細かく切ってお味噌汁に入れたり、炒め物にしたり、ご飯と混ぜても美味しくいただけます。
<関連記事>
いも類の栄養成分を比較してみました【薩摩芋、里芋、山芋、じゃがいも】