健康、美容、脳にも効果あり!ピーナッツの驚くべき栄養効果12個
ピーナッツには、健康、美容、そして脳にも有効な成分が含まれています。
これだけ優秀な食材を食べないのはもったいない!
ピーナッツの驚くべき栄養効果12個と、食べる時の注意点をご紹介します。
この記事の目次
「食べ過ぎると鼻血が出る」と言われるほど高い栄養価
ピーナッツは一般的に、殻がついた状態の場合は落花生、殻から出した状態のものをピーナッツと呼ぶことが多いようです。
このピーナッツは、変わった植物で、夏頃に黄色い花を咲かせ、受粉後、子房柄という一本の蔓(ツル)が下に伸びて地面に潜り込み、地中で子房の部分が膨らんで殻に入った実ができます。
花の蔓が地面に落ちて実を結ぶことから「落花生」という名前が付けられたようです。
ピーナッツの原産地は南アメリカで、約3000年前から栽培されていたと言われています。
日本では、江戸時代に南京豆(なんきんまめ)という名前で伝わってきました。
日本で生産量が圧倒的に多いのが、1位の千葉県と2位の茨城県で、この2県で国内生産量のほとんどを占めています。
ピーナッツというと昔から「食べ過ぎると鼻血が出る」と言われるほど栄養効果が高いことで知られています。
しかも、女性に多い冷え性や貧血、更年期障害の予防、改善から美肌効果まであるのですから、驚きです。
そんなピーナッツの優れた栄養効果について、ご紹介します。
ピーナッツの栄養成分比較表
ピーナッツ100gに含まれる営養素は、次の通りです。
各種の種実類100gに含まれる栄養成分と比較しています。
※各栄養素の含有率が、最も高い数値の背景を赤にしています。
※トコフェロールとは、ビタミンEのことです。
※不飽和脂肪酸は動物性脂肪酸、一価不飽和脂肪酸はオメガ9系、n3系不飽和脂肪酸はオメガ3系、n6系不飽和脂肪酸はオメガ6系脂肪酸を指します。
成分 | ぎんなん | 栗 | くるみ | ピスタチオ | マカダミアナッツ | アーモンド | ピーナッツ | カシューナッツ |
1粒の重量 (g) | 1.6 | 19 | 2 | 0.5 | 2 | 1 | 0.7 | 1.5 |
一日の適量 (g) | 16 | 100 | 20 | 20 | 20 | 20 | 20 | 20 |
エネルギー (kcal) | 174 | 167 | 674 | 615 | 720 | 608 | 585 | 576 |
たんぱく質 (g) | 4.6 | 3.5 | 14.6 | 17.4 | 8.3 | 20.3 | 26.5 | 19.8 |
トリプトファン (mg) | 77 | 45 | 200 | 270 | 96 | 220 | 不明 | 360 |
水溶性食物繊維 (g) | 0.2 | 0.3 | 0.6 | 0.9 | 微量 | 1.1 | 0.3 | 0.8 |
不溶性食物繊維 (g) | 2.2 | 6.3 | 6.9 | 8.3 | 6.2 | 10.0 | 6.9 | 5.9 |
脂質類 | ぎんなん | 栗 | くるみ | ピスタチオ | マカダミアナッツ | アーモンド | ピーナッツ | カシューナッツ |
脂質 (g) | 1.5 | 0.6 | 68.8 | 56.1 | 76.7 | 54.1 | 49.4 | 47.6 |
飽和脂肪酸 (g) | 0.15 | 0.11 | 6.87 | 6.15 | 12.46 | 4.13 | 10.76 | 9.97 |
一価不飽和脂肪酸 (g) | 0.45 | 0.06 | 10.26 | 30.92 | 59.23 | 35.09 | 20.57 | 27.74 |
n3系不飽和脂肪酸 (g) | 0.03 | 0.06 | 8.96 | 0.20 | 0.09 | 0.01 | 0.10 | 0.08 |
n6系不飽和脂肪酸 (g) | 0.53 | 0.25 | 41.32 | 16.22 | 1.47 | 12.64 | 16.72 | 8.00 |
ミネラル類 | ぎんなん | 栗 | くるみ | ピスタチオ | マカダミアナッツ | アーモンド | ピーナッツ | カシューナッツ |
ナトリウム | 1 | 1 | 4 | 270 | 190 | 微量 | 2 | 220 |
カリウム (mg) | 580 | 460 | 540 | 970 | 300 | 740 | 770 | 590 |
カルシウム (mg) | 5 | 23 | 85 | 120 | 47 | 260 | 50 | 38 |
マグネシウム (mg) | 45 | 45 | 150 | 120 | 94 | 310 | 200 | 240 |
鉄 (mg) | 1.2 | 0.7 | 2.6 | 3.0 | 1.3 | 3.7 | 1.7 | 4.8 |
亜鉛 (mg) | 0.4 | 0.6 | 2.6 | 2.5 | 0.7 | 3.7 | 3.0 | 5.4 |
ビタミン類 | ぎんなん | 栗 | くるみ | ピスタチオ | マカダミアナッツ | アーモンド | ピーナッツ | カシューナッツ |
βカロテン当量 (μg) | 290 | 37 | 23 | 120 | 微量 | 9 | 7 | 10 |
αトコフェロール (mg) | 1.6 | 0 | 1.2 | 1.4 | 微量 | 28.8 | 10.6 | 0.6 |
γトコフェロール (mg) | 0.3 | 3.3 | 23.6 | 25.5 | 0 | 0.7 | 7.1 | 5.4 |
ビタミンK (mg) | 3 | 0 | 7 | 29 | 5 | 0 | 微量 | 28 |
ビタミンB1 (μg) | 0.26 | 0.17 | 0.26 | 0.43 | 0.21 | 0.03 | 0.23 | 0.54 |
ビタミンB2 (μg) | 0.07 | 0.08 | 0.15 | 0.24 | 0.09 | 1.04 | 0.10 | 0.18 |
ビタミン類 | ぎんなん | 栗 | くるみ | ピスタチオ | マカダミアナッツ | アーモンド | ピーナッツ | カシューナッツ |
ナイアシン (mg) | 1.0 | 1.0 | 1.0 | 1.0 | 2.1 | 3.9 | 17.0 | 0.9 |
ビタミンB6 (mg) | 0.02 | 0.26 | 0.49 | 1.22 | 0.21 | 0.08 | 0.46 | 0.36 |
葉酸 (μg) | 38 | 76 | 91 | 59 | 16 | 48 | 57 | 63 |
パントテン酸 (mg) | 1.02 | 1.06 | 0.67 | 1.06 | 0.50 | 0.26 | 2.19 | 1.32 |
ビタミンC (mg) | 23 | 26 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
参考:食品成分データベース
ピーナッツの栄養効果12選
ピーナッツには、脂質とタンパク質が豊富に含まれいます。
更に、ミネラルやビタミン類などの栄養素がバランスよく含まれています。
ピーナッツの外側の茶色い渋皮には、ビタミンEやレスベラトロールと言う有効成分がたっぷり含まれていますので、是非、渋皮も一緒に食べることをお勧めします。
①コレステロールの減少
ピーナッツの約半分は脂肪です。
脂肪と聞くと、太るとか、体に悪いと言うイメージがあるかもしれませんが、ピーナッツに含まれる脂肪は、健康に良いと言われる植物性のリノール酸とオレイン酸で、血中の中性脂肪や悪玉コレステロールを減少させ、善玉コレステロールを増加させる効果があります。
また、ピーナッツの渋皮に多く含まれているレスベラトロールという成分にも、悪玉コレステロールを減少させる効果があります。
ピーナッツには、ビタミンB群に属するパントテン酸も多く含まれており、パントテン酸にも悪玉コレステロールを減少させる効果があります。
悪玉コレステロールが減少すると、動脈硬化を引き起こすリスクが軽減します。
②ダイエット効果
ピーナッツに含まれるオレイン酸は、ブドウ糖の吸収を抑制したり、新陳代謝を上げる働きがあり、ダイエット効果が期待できます。
また、オレイン酸は便秘を解消する効果もあり、デトックス効果や、腸内環境を整えてくれる効果もあります。
ピーナッツの外側の茶色い渋皮に多く含まれているレスベラトロールは、脂肪が蓄積されるのを防ぐ効果があります。
ピーナッツは腹持ちが良く、満腹感を得やすいので、ダイエット中に小腹がすいた時などの間食にも向いています。
ピーナッツを適量摂取することで、肥満を予防、改善したり、ダイエット効果が得られます。
ピーナッツの摂取量は、1日に30粒までが適量と言われています。
③糖尿病の予防、改善
血糖値が上昇する速度を表すGI値(グリセミックインデックス値)と言うものがあります。
GI値は高いほど血糖値が上がりやすく、糖尿病や肥満になるリスクが高くなります。
ピーナッツはGI値が15と、非常に低いため、糖尿病や肥満が気になる人でも安心して食べられます。
また、ピーナツにはセカンドミール効果があります。
セカンドミール効果とは、1日の最初の食事(ファーストミール)が、次の食事(セカンドミール)の後の血糖値にも影響を及ぼすことを言います。
つまり、ピーナツを食べると血糖値の上昇を抑制することができ、その効果が持続して、次の食後の血糖値の上昇も抑制してくれるのです。
ですから、午後のおやつにピーナッツを食べると、夕飯で血糖値が上がりやすいものを食べても、食後の血糖値が上がりにくくなるので、お勧めです。
④生活習慣病の予防
ピーナッツを適量摂取することで、動脈硬化などの生活習慣病を予防、改善する効果があります。
ピーナッツには、ビタミンやミネラルもバランス良く含まれています。
ビタミンEは、細胞の老化を防ぎ、血管を若々しく保つ働きがあるため、脳梗塞、心筋梗塞、心疾患などの予防に効果が期待できます。
ピーナッツには、オレイン酸が豊富に含まれていますが、オレイン酸は悪玉コレステロールを減少させる働きがあり、動脈硬化、高血圧、心疾患を予防する効果があります。
また、ピーナッツの渋皮に多く含まれているレスベラトロールは、強い抗酸化力をもつことで注目されており、悪玉コレステロールを減少させて動脈硬化を防いだり、細胞の老化を抑制する効果があります。
レスベラトロールは、心疾患や抗がん作用もあると言われており、研究が進められています。
⑤美肌効果
ピーナッツには、肌を美しくする成分がたくさん含まれています。
ビタミン類や豊富な脂質は、肌に潤いを与えてくれます。
オレイン酸は、肌の乾燥を防ぎ、小じわを予防、改善する働きがあり、肌を柔らかくしてくれます。
ピーナッツの渋皮に含まれるレスベラトロールは、抗酸化作用で肌の若さを保ち、美肌成分であるヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチンが破壊されるのを防ぐ効果があります。
更に、シミの元であるメラニン色素が生成されるのを抑制してシミを予防する効果もあると言われています。
ピーナッツに含まれるポリフェノールやビタミンEにも抗酸化作用があり、肌の老化を防ぎ、ハリや艶を保ってくれます。
ピーナッツは血行を促進する効果も高く、肌のターンオーバーを促進してくれるため、ニキビや肌荒れを改善して、肌を美しく保つ効果があります。
⑥髪を美しくする
健康な髪を維持するには、たんぱく質やミネラルが必要です。
ピーナッツは、たんぱく質もミネラルも豊富に含まれているため、ツヤのある美しい髪を作る効果があります。
血行を良くする成分も豊富に含まれているため、頭皮の血行を良くして、薄毛や抜け毛の予防効果もあります。
また、ビタミンB群には、頭皮の健康を維持する働きがあります。
これらのことから、ピーナッツは健康的な美しい髪を維持するのに有効と言えます。
⑦老化抑制
ピーナッツに含まれているビタミンEやレスベラトロールには、強い抗酸化作用があり、老化を抑制する効果があります。
ビタミンEは、若返りのビタミンと呼ばれ、細胞や血管の老化を防ぐ効果があります。
また、レスベラトロールは、長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)を活性化させ、老化を遅らせる働きがあることから、寿命を延ばす効果があるのではないかと、研究が進められています。
ビタミンE、レスベラトロールともに、ピーナッツの渋皮に多く含まれていますので、渋皮つきのピーナッツを食べると効果が得られやすいです。
⑧更年期障害
ピーナッツの渋皮に含まれるレスベラトロールは、女性ホルモンのエストロゲンと同じ機能を持つと考えられています。
そのため、レスベラトロールを摂取することで、ホルモンバランスの乱れによる体調不良や、更年期障害の予防、改善効果が期待されています。
ピーナッツには、レスベラトロール以外にも抗酸化物質が含まれており、細胞を活性化させ、体と心を元気にしてくれます。
また、ピーナッツは血行を良くする働きがあることから、冷えやのぼせ、疲労、肩凝り、ストレスなどの様々な不調を緩和する効果が期待でき、更年期障害による様々な症状を緩和する効果もあります。
⑨冷え症改善
ピーナッツに含まれるビタミンEは、血行を促進し、体の隅々まで血液を循環させる作用があります。
また、ピーナッツに多く含まれているアミノ酸のアルギニンやチロキシンといった物質は、血行を良くし、冷え性を改善する効果があります。
これらの相乗効果で血行不良を改善し、体全体の血の巡りを良くします。
その結果、冷え性だけでなく、肩凝り、腰痛、頭痛、めまい、むくみや倦怠感などの体調不良を改善する効果が期待できます。
⑩貧血予防
ピーナッツには鉄分や亜鉛などのミネラルも豊富です。
鉄分は、ヘモグロビンを構成し、体内に酸素を運んで、二酸化炭素を回収する働きをします。
そのため、鉄分が不足すると体が酸欠状態になり、貧血を引き起こすだけでなく、倦怠感がとれなくなったり、集中力が低下したり、イライラしやすくなります。
また、亜鉛は内臓から皮膚や毛髪など体のあらゆる場所に存在し、新陳代謝を助ける役割を持っており、細胞の生成やたんぱく質の合成を助ける働きをします。
亜鉛が不足すると、貧血や味覚障害を引き起こします。
ピーナッツは、脂肪やタンパク質も豊富なため、血液の生成を促進し、貧血を防ぐ効果があります。
⑪記憶力や学習能力の向上
ピーナッツは、神経伝達物質を構成するコリン、レシチンという成分を含んでいます。
これらの成分は、神経伝達物質であるアセチルコリンを生成し、脳の神経細胞を活性化させる働きをします。
その結果、記憶力や学習能力を高める効果が期待できます。
また、レシチンには、ストレスやイライラを解消する働きもあるため、集中力アップや、冷静な判断が必要な時に効果が期待できるでしょう。
⑫二日酔い防止
ピーナッツに多く含まれるナイアシン(ビタミンB3)は、二日酔いの予防に効果があります。
ナイアシンは、二日酔いの原因となるアセトアルデヒドを分解するのを助ける働きを持つため、二日酔いを予防する効果があります。
また、ピーナッツに多く含まれるアスパラギン酸には、有害物質であるアンモニアを排出する作用があり、肝臓の負担を減らすことができます。
ピーナッツを食べる時の注意点
ピーナッツの茶色い渋皮には、有効成分であるレスベラトロールが豊富に含まれていますので、購入する際は、ピーナッツの渋皮付きのものを購入しましょう。
また、ピーナッツの摂取量は、1日に30粒まで(約20g)が適量と言われています。
食べ過ぎると、カロリーの摂り過ぎとなったり、胃腸に負担がかかって体調不良を引き起こすことになりかねません。
ピーナッツは厚生労働省が表示を義務化している指定アレルゲンのひとつです。
アレルギー体質の人は、医師に相談の上、摂取することをお勧めします。
<まとめ>
ピーナッツは、健康、美容、そして学習能力に至るまで、様々な効果があります。
ですから、子供からお年寄りまで老若男女問わず、お勧めしたい食材です。
ピーナッツを購入するときのポイントは、皮つきであることです。
ピーナッツの茶色い渋皮には、有効成分であるレスベラトロールが豊富に含まれています。
是非、ピーナッツの渋皮も一緒に食べるようにしましょう。
また、バターピーナッツや味付きのピーナッツも多く販売されていますが、脂肪や塩分が気になる方は、素焼きのピーナッツを購入することをお勧めします。
ピーナッツは軽くて持ち運びも便利ですので、常に携帯しておくと、小腹が空いたときの栄養補給として役立ちます。