【びわ】びわの栄養効果とびわの葉茶の効能とは?
「びわはやさしい木の実だから~」と童謡にあるように、やさしい甘さが特徴のびわ。
そんなびわにはどんな栄養効果があるのでしょうか。
また、びわの葉や種は優れた民間療薬として古代から各国で使用されており、最近はびわの葉茶が健康茶として密かにブームになっているようです。
今回は、そんなびわの果実とびわの葉茶の栄養効果について調べてみました。
この記事の目次
びわ(果実)の主な栄養効果
アンチエイジング効果
びわは、βカロテン、ビタミンCや、ポリフェノールのクロロゲン酸などが豊富に含まれています。
これらの成分は抗酸化作用が強く、細胞の酸化を防ぎ、しみやシワ、たるみなどの肌の老化を防いでくれます。
また、βカロテンは皮膚の健康を維持し、βクリプトキサンチンはヒアルロン酸の生成を促進させ、肌に潤いを与えてくれます。
これらのことから、びわは高いアンチエイジング効果が期待できます。
生活習慣病の予防・改善効果
ビタミンCやクロロゲン酸は、血液中の悪玉コレステロールを減少させ、善玉コレステロールを増やす働きをします。
また、カリウムやβ-クリプトキサンチンには、血圧の上昇を抑える働きがあります。
これらの働きで、血管の健康を維持し、動脈硬化や高血圧を防ぎ、生活習慣病の予防や改善に効果があります。
更にβ-クリプトキサンチンは、骨粗鬆症や糖尿病の予防にも効果があると言われています。
ダイエット効果
びわに含まれるクロロゲン酸には、肝臓の働きを助けて脂肪を燃焼させる効果があります。
また、ビタミンB群には代謝を良くする働きがあり、糖質や脂質が体内に蓄積されるのを防ぎます。
その結果、肥満を予防・改善するため、ダイエット効果が期待できます。
感染症を予防する効果
びわはβ-カロテンやβ-クリプトキサンチンが豊富です。
これらの栄養素は粘膜や皮膚を丈夫にする働きがあり、咳や喉の痛みなどの風邪の症状を和らげる効果があります。
また、ビタミンCは細菌やウイルスなどを攻撃し、白血球の働きを強化させ、抵抗力をつける効果があります。
そのため、病気に対する免疫力を高め、風邪などの感染症を予防したり、病気の回復を早める効果が期待できます。
疲労回復効果
激しい運動やストレスなどで体に負荷がかかると、体内に疲労物質と言われる乳酸が溜まります。
びわに豊富なクエン酸やリンゴ酸などの有機酸は、乳酸を分解してエネルギーに変える働きがあり、疲労を回復する効果があります。
また、ビタミンB群には、糖質や脂質を素早くエネルギーに変える働きがあるため、疲労回復を早める効果があります。
びわの葉茶の効能とは?
びわの葉に含まれる主な成分は、以下のとおりです。
アミグダリン、ペクチン、トリテルペノイド、ウルソール酸、マスリン酸、メチルマスリネート、ユウスカピン酸、ビタミン類、葉酸、ブドウ糖、ショ糖、果糖、デキストリン、酒石酸、タンニン、オレアソール酸、サポニン、ビタミンB1、クエン酸
出典:健成園
期待できる主な効果は、次の通りです。
ダイエット効果
びわの葉に含まれるタンニンやアミグダリンには殺菌作用があり、腸内の悪玉コレステロールを減少させる効果があります。
また、便秘を解消し、体内の毒素を排出するデトックス効果もあります。
そのため、びわの葉茶を飲むと、ダイエット効果があると言われています。
アレルギーや花粉症を改善する効果
びわの葉に含まれるタンニンやアミグダリンの殺菌作用により、びわの葉茶を飲むと細菌の増殖が抑制されます。
そのため、肌の炎症、アレルギー、花粉症などの予防や改善に効果があると言われています。
疲労回復、夏バテ解消効果
びわの葉に含まれるクエン酸やサポニンには、新陳代謝を良くして血流を良くする効果があります。
そのため、疲労を回復する効果があり、夏バテ解消にも効果が期待できます。
アミグダリンとは?
「アミグダリンはガンに効果がある」とも言われていますが、米国国立癌研究所(NCI)では「癌への治療や改善、延命などに対して効果が無い」と指摘しているそうです。
アミグダリンはビタミンとは言えない。それどころか、サプリメントとして使用したために青酸中毒となり、健康障害を引き起こしたり、場合によっては死に至るなどおよそ健康とはかけ離れた結果となった例が多数報告されている。なお、米国では米国食品医薬品局(FDA)により、アミグダリンの販売は禁止されている。出典:Wikipedia
びわの栄養成分比較表
びわ100gに含まれる営養素は、次の通りです。
春~夏が旬のフルーツ100gに含まれる栄養成分と比較しています。
※各栄養素の含有率が最も高い数値の背景をピンクにしています。
※トコフェロールとは、ビタミンEのことです。
成分 | あんず | グレープフルーツ | さくらんぼ | スイカ | 夏みかん | びわ | メロン |
エネルギー (kcal) | 36 | 38 | 60 | 37 | 40 | 40 | 42 |
たんぱく質 (g) | 1.0 | 0.9 | 1.0 | 0.6 | 0.9 | 0.3 | 1.0 |
炭水化物 (g) | 8.5 | 9.6 | 15.2 | 9.5 | 10.0 | 10.6 | 10.4 |
水溶性食物繊維 (g) | 0.6 | 0.2 | 0.1 | 0.1 | 0.4 | 0.4 | 0.2 |
不溶性食物繊維 (g) | 1.0 | 0.4 | 1.1 | 0.2 | 0.8 | 1.2 | 0.3 |
ミネラル類 | あんず | グレープフルーツ | さくらんぼ | スイカ | 夏みかん | びわ | メロン |
ナトリウム (mg) | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 6 |
カリウム (mg) | 200 | 140 | 210 | 120 | 190 | 160 | 350 |
カルシウム (mg) | 9 | 15 | 13 | 4 | 16 | 13 | 6 |
マグネシウム (mg) | 8 | 9 | 6 | 11 | 10 | 14 | 12 |
鉄 (mg) | 0.3 | – | 0.3 | 0.2 | 0.2 | 0.1 | 0.2 |
亜鉛 (mg) | 0.1 | 0.1 | 0.1 | 0.1 | 0.1 | 0.2 | 0.2 |
ビタミン類 | あんず | グレープフルーツ | さくらんぼ | スイカ | 夏みかん | びわ | メロン |
βカロテン (μg) | 1400 | 0 | 81 | 830 | 22 | 510 | 3600 |
βクリプトキサンチン (μg) | 190 | 0 | 21 | 0 | 120 | 600 | 0 |
βカロテン当量 (μg) | 1500 | 0 | 98 | 830 | 85 | 810 | 3600 |
トコフェロール (mg) | 1.7 | 0.3 | 0.5 | 0.1 | 0.3 | 0.1 | 0.2 |
ビタミンB1 (μg) | 0.02 | 0.07 | 0.03 | 0.03 | 0.08 | 0.02 | 0.05 |
ビタミンB2 (μg) | 0.02 | 0.03 | 0.03 | 0.02 | 0.03 | 0.03 | 0.02 |
ビタミン類 | あんず | グレープフルーツ | さくらんぼ | スイカ | 夏みかん | びわ | メロン |
ナイアシン (μg) | – | 0.3 | 0.2 | 0.2 | 0.4 | 0.2 | 0.8 |
ビタミンB6 (mg) | 0.05 | 0.04 | 0.02 | 0.07 | 0.05 | 0.06 | 0.11 |
葉酸 (μg) | 2 | 15 | 38 | 3 | 25 | 9 | 24 |
パントテン酸 (mg) | 0.30 | 0.39 | 0.24 | 0.22 | 0.29 | 0.22 | 0.16 |
ビタミンC (mg) | 3 | 36 | 10 | 10 | 38 | 5 | 25 |
参考:食品成分データベース
<まとめ>
びわはβカロテンが豊富なため、美しい肌を維持する効果やアンチエイジング効果が期待できます。
また、腸内環境を整える効果もあるため、便秘解消、デトックス効果があり、ダイエット効果も期待できます。
健康面では、疲労回復、血流改善、風邪の予防、生活習慣病を予防する効果などがあります。
最近話題のびわの葉茶には、ダイエット効果、アレルギーや花粉症を改善する効果、疲労回復、夏バテ解消効果などがあります。