【レタス】安眠効果があるってホント?レタスの効果と簡単で美味しい食べ方
レタスの旬は夏それとも冬?
レタスには安眠効果があると言う噂は本当?
レタスは、実は食物繊維が少ない?
知ってるようで知らないレタスの秘密がわかります。
この記事の目次
レタスの旬は夏それとも冬?
レタスはキク科の野菜で、原産地は西アジアや地中海沿岸と言われています。
レタスには「チシャ」と言う和名があり、茎を切ると白い汁が出るところが乳草(ちちくさ)に似ているため、乳草が省略されてチシャと呼ばれるようになったそうです。
ところで、レタスは一年中販売されており、夏に良く見かけるため、夏が旬だと思われがちです。
実はレタスは暑さに弱く、涼しい気候を好み、本来の旬は冬になります。
夏に多く出回るレタスは、夏でも涼しい高原で収穫される高原レタスになります。
さて、サラダに欠かせないレタスには、どんな栄養効果があるのでしょうか。
以前、某テレビ番組でレタスに安眠効果があると放映され、後日それが捏造だったことが発覚して問題となりましたが、実際レタスに安眠効果はまったくないのでしょうか。
レタスに含まれる栄養素を調べて、実際にどんな効果が期待できるのか、ご紹介します。
レタスの栄養成分比較表
レタス100g(中~大サイズの葉3枚)に含まれる営養素は、次の通りです。
冬が旬の淡色野菜100gに含まれる栄養成分と比較しています。
※各栄養素の含有率が、最も高い数値の背景を赤にしています。
※トコフェロールとは、ビタミンEのことです。
成分 | カリフラワー | キャベツ | セロリ | ネギ | 白菜 | 土耕レタス | 水耕レタス |
エネルギー (kcal) | 27 | 23 | 15 | 34 | 14 | 12 | 14 |
たんぱく質 (g) | 3.0 | 1.3 | 0.4 | 1.4 | 0.8 | 0.6 | 0.8 |
炭水化物 (g) | 5.2 | 5.2 | 3.6 | 8.3 | 3.2 | 2.8 | 2.9 |
水溶性食物繊維 (g) | 0.4 | 0.4 | 0.3 | 0.3 | 0.3 | 0.1 | 0.2 |
不溶性食物繊維 (g) | 2.5 | 1.4 | 1.2 | 2.2 | 1.0 | 1.0 | 0.9 |
ミネラル類 | カリフラワー | キャベツ | セロリ | ネギ | 白菜 | 土耕レタス | 水耕レタス |
ナトリウム (mg) | 8 | 5 | 28 | 微 | 6 | 2 | 2 |
カリウム (mg) | 410 | 200 | 410 | 200 | 220 | 200 | 260 |
カルシウム (mg) | 24 | 43 | 39 | 36 | 43 | 19 | 34 |
マグネシウム (mg) | 18 | 14 | 9 | 13 | 10 | 8 | 10 |
鉄 (mg) | 0.6 | 0.3 | 0.2 | 0.3 | 0.3 | 0.3 | 0.3 |
亜鉛 (mg) | 0.6 | 0.2 | 0.2 | 0.3 | 0.2 | 0.2 | 0.1 |
ビタミン類 | カリフラワー | キャベツ | セロリ | ネギ | 白菜 | 土耕レタス | 水耕レタス |
βカロテン (μg) | 18 | 49 | 44 | 82 | 92 | 240 | 710 |
トコフェロール (mg) | 0.2 | 0.1 | 0.2 | 0.2 | 0.2 | 0.3 | 0.3 |
ビタミンK (μg) | 17 | 78 | 10 | 8 | 59 | 29 | 58 |
ビタミンB1 (μg) | 0.06 | 0.04 | 0.03 | 0.05 | 0.03 | 0.05 | 0.03 |
ビタミンB2 (μg) | 0.11 | 0.03 | 0.03 | 0.04 | 0.03 | 0.03 | 0.03 |
ビタミン類 | カリフラワー | キャベツ | セロリ | ネギ | 白菜 | 土耕レタス | 水耕レタス |
ナイアシン (μg) | 0.7 | 0.2 | 微 | 0.4 | 0.6 | 0.2 | 0.3 |
ビタミンB6 (mg) | 0.23 | 0.11 | 0.08 | 0.12 | 0.09 | 0.05 | 0.05 |
葉酸 (μg) | 94 | 78 | 29 | 72 | 61 | 73 | 44 |
パントテン酸 (mg) | 1.30 | 0.22 | 0.26 | 0.17 | 0.25 | 0.20 | 0.06 |
ビタミンC (mg) | 81 | 41 | 7 | 14 | 19 | 5 | 5 |
参考:食品成分データベース
土耕栽培(どこうさいばい)と水耕栽培(すこうさいばい)
レタスには、土耕栽培と水耕栽培があります。
一般的な農地での栽培が土耕栽培で、土を使わずに水で栽培するのが水耕栽培です。
野菜の水耕栽培は、植物工場と呼ばれる施設で生産され、農林水産省と経済産業省が総額150億円の補助金を出して推奨したことから7年くらい前から急増しました。
しかし、課題も多く、苦戦しているようです。
→ 補助金漬け「植物工場」の不毛~どうなる?日本の次世代農業
水耕栽培の野菜は、旬に関係なく一年中販売されています。
スーパーでの見分け方は、土が一切ついていなければ水耕栽培の可能性があります。
土耕レタスと水耕レタスの営養成分を比較すると、ほとんど似通っていますが、βカロテンは水耕レタスの方が豊富で、葉酸は土耕レタスの方が豊富という結果になっています。
レタスの栄養効果
レタスは、淡色野菜の中ではβカロテンが豊富で、水耕レタスに至っては緑黄色野菜の部類に入る程βカロテンが豊富です。
ちなみに、可食部100gあたりのカロテンの含有量が600μg以上の野菜を緑黄色野菜と言います。
また、葉酸も比較的多く含まれています。
他の栄養成分についても、量は多くありませんが、各種ビタミンやミネラルが幅広く含まれています。
これらのことから、次のような効果が期待できます。
レタスの美容効果
- βカロテンが皮膚を丈夫にし、肌荒れを防ぐ
- 各種ビタミンが肌の調子を整える
- 各種ビタミンの抗酸化作用で、肌を若々しく保つ
また、レタスはカロリーが低いため、ダイエットに向いています。
レタスの健康効果
- βカロテンが粘膜を丈夫にし、風邪を予防する
- 各種ビタミンの抗酸化作用で、老化を抑制する
- 各種ミネラルが骨や歯を丈夫にし、骨粗鬆症を予防する。
- ミネラルがむくみを防ぎ、高血圧を予防する
- 葉酸が貧血を防ぐ
- 妊婦さんが食べると葉酸が胎児の発育を助ける
レタスは「食物繊維が多い」とよく言われますが、実際は食物繊維の量は非常に少ないです。
ですから、食物繊維の効果はほとんど期待できません。
ただし、GI値は低いので、食事の際最初に食べることで、血糖値の急激な上昇を避けることができます。
※GI値とは血糖上昇率のことで、GI値が低いほど血糖値の上昇が緩やかになります。
レタスに安眠効果はあるのか?
1998年10月25日、某テレビ番組で「レタスの汁を飲むと眠くなる」と言う内容が放映されました。
番組では、レタスを切ったときに出る白い汁に多く含まれる「ラクッコピコリン」と言う成分に催眠作用があり、寝る前にレタスの特に軸に近い部分を食べると、すぐに眠くなると言った内容の説明がありました。
そして、ネズミにレタスの汁を飲ませると、すぐに眠ると言った実験が放映されました。
しかし、後日このねずみの実験結果が捏造であることが発覚しました。
では、レタスに安眠効果があるということ自体、ウソだったのでしょうか。
その答えを、この番組の実験に協力した教授が次のように語っています。
その後判明したことであるが、実際のところは強い眠気を催すのはワイルドレタス(Lactuca virosa)であって、その形はサラダレタスに似ても似つかぬ菊のような植物である。そして、その催眠成分はlactucopicrin であって、ラクッコピコリンなどという成分は存在しない。
・・・・・そして、サラダレタス(Lactuca sativa)にも催眠成分ラクチュコピクリン(ラクツコピクリン)は少し存在する。しかし、存在することと有効であることは別ごとで、かなり大量に食べないと効果は期待できない。
出典:この世に存在しない“ラクッコピコリン”に秘められた研究者の責任
つまり、「レタスにはラクチュコピクリンと言う催眠作用を持つ成分が含まれているが、大量に食べないと効果は期待できないため、有効とは言えない」と言うのが真相のようです。
ちなみに、こちらの教授は、捏造には一切関与していません。
なぜ実験結果が捏造されたのか、詳細については上記ページの記事全文をご覧ください。
レタスの美味しい食べ方
レタスのサラダ
レタスと言えば、サラダの定番ですね。
レタスは金属に弱い野菜なので、包丁で切ると切り口が酸化して、茶色く変色しやすくなります。
手でちぎったレタスは変色しにくく、ドレッシングもからみやすくなります。
また、ちぎる前に冷水に数分つけておくと、シャキッとして歯ごたえが良くなります。
レタスとフランスパン
レタスはパンとも相性が良く、サンドウィッチやバンズに挟んで食べることも多いですが、写真のようにカナッペ風にすると、見た目もよく、来客の際おつまみやオードブルとして出すこともできます。
レタスは、ペーパータオルなどで充分水気を吸ってからパンにのせましょう。
レタス入りスープ
レタスはスープにも合います。
どんな味付けでも合いますので、いつものスープにレタスを加えてみてはいかがでしょうか。
レタスは火が通りやすいので、火を止める数分前に入れると良いでしょう。
シチューに入れても美味しくいただけます。
レタス入りチャーハン
レタス入りチャーハンも定番と言えるでしょう。
美味しく作る手順は、次の通りです。
- プライパンで具材を炒めて好みの調味料で味付けし、最後にレタスを加えてさっと炒めたら器に出します。
- プライパンで溶き卵を軽く炒めて、ふんわりした炒り卵を作り、1の器に移します。
- プライパンで米をパラパラになるまで炒めたら、1を加えて良く混ぜます。
ポイントは、レタスも卵も炒め過ぎないことです。
火を通し過ぎるとレタスがしんなりしてしまうので、軽く炒めてある程度シャキシャキ感を残した方が美味しく出来上がります。
<まとめ>
レタスは一年中手に入りますが、暑さに弱く傷みやすいので、冬以外は冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
レタスは、淡色野菜の中ではβカロテンが豊富な方です。
その他の栄養成分は、量は少なくなりますが、各種ビタミンやミネラルを幅広く含んでいます。
食物繊維を多く含んでいるイメージがありますが、食物繊維は野菜の中でも少ない方です。
レタスに安眠効果があると言う噂がありますが、テレビ番組の影響による情報になります。
レタスの白い汁に多く含まれるポリフェノールの一種「ラクチュコピクリン」に催眠作用があるのは事実です。
ただし、即効性はなく、大量に食べないと効果が得られないため、有効と言えるレベルではないと言うことのようです。
レタスは生で食べても良いですし、スープに入れても、炒めても美味しくいただけます。
火が通りやすいので、調理に時間がかからず、忙しいときにも使いやすい食材です。
いろいろ使えて、付け合わせにすると見栄えも良いレタスは、常備しておくと便利です。
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