【ネギ】乾燥肌で悩んでいる人におすすめの食べ物、ネギのパワー
味噌汁、薬味、鍋の具など、食生活に欠かせないネギ。
実は、ネギは乾燥肌で悩んでいる人におすすめの食べ物です。
ネギに含まれる有効成分には、血行を良くして、肌を潤す効果があるのです。
他にも、様々な健康効果があるネギ。
そんな優れたネギの栄養効果や、食べ方のコツをご紹介します。
この記事の目次
関東は白ネギ、関西は青ネギを良く食べる
ネギは、大きく分けると、白い部分を食べる白ネギ(根深ネギ)と、青い葉の部分を食べる青ネギ(葉ネギ)のふたつに分けられます。
関東では白ネギが一般的で、関西では青ネギが一般的に多く食べられています。
白ネギと青ネギでは、栄養成分が異なりますが、それぞれ優れた栄養成分が含まれており、冬の乾燥から肌を守る美肌効果や、風邪やインフルエンザから体を守る健康効果が期待できます。
ネギ発祥の地はモンゴルと言われており、乾燥した厳しい環境で育つために、優れた栄養成分を自ら作り出したと言われています。
そんな優れたネギの栄養成分、効果、そして効果を得やすい食べ方をご紹介します。
ネギの栄養成分比較表
ネギ100gに含まれる営養素は、次の通りです。
冬が旬の淡色野菜100gに含まれる栄養成分と比較しています。
※各栄養素の含有率が、最も高い数値の背景を赤にしています。
※トコフェロールとは、ビタミンEのことです。
成分 | カリフラワー | キャベツ | セロリ | ネギ(軟白) | ネギ(葉) | 白菜 | 土耕レタス |
エネルギー (kcal) | 27 | 23 | 15 | 34 | 30 | 14 | 12 |
たんぱく質 (g) | 3.0 | 1.3 | 0.4 | 1.4 | 1.9 | 0.8 | 0.6 |
炭水化物 (g) | 5.2 | 5.2 | 3.6 | 8.3 | 6.5 | 3.2 | 2.8 |
水溶性食物繊維 (g) | 0.4 | 0.4 | 0.3 | 0.3 | 0.3 | 0.3 | 0.1 |
不溶性食物繊維 (g) | 2.5 | 1.4 | 1.2 | 2.2 | 2.9 | 1.0 | 1.0 |
ミネラル類 | カリフラワー | キャベツ | セロリ | ネギ(軟白) | ネギ(葉) | 白菜 | 土耕レタス |
ナトリウム (mg) | 8 | 5 | 28 | 微 | 1 | 6 | 2 |
カリウム (mg) | 410 | 200 | 410 | 200 | 260 | 220 | 200 |
カルシウム (mg) | 24 | 43 | 39 | 36 | 80 | 43 | 19 |
マグネシウム (mg) | 18 | 14 | 9 | 13 | 19 | 10 | 8 |
鉄 (mg) | 0.6 | 0.3 | 0.2 | 0.3 | 1.0 | 0.3 | 0.3 |
亜鉛 (mg) | 0.6 | 0.2 | 0.2 | 0.3 | 0.3 | 0.2 | 0.2 |
ビタミン類 | カリフラワー | キャベツ | セロリ | ネギ(軟白) | ネギ(葉) | 白菜 | 土耕レタス |
βカロテン (μg) | 18 | 49 | 44 | 82 | 1500 | 92 | 240 |
トコフェロール (mg) | 0.2 | 0.1 | 0.2 | 0.2 | 0.9 | 0.2 | 0.3 |
ビタミンK (μg) | 17 | 78 | 10 | 8 | 110 | 59 | 29 |
ビタミンB1 (μg) | 0.06 | 0.04 | 0.03 | 0.05 | 0.06 | 0.03 | 0.05 |
ビタミンB2 (μg) | 0.11 | 0.03 | 0.03 | 0.04 | 0.11 | 0.03 | 0.03 |
ビタミン類 | カリフラワー | キャベツ | セロリ | ネギ(軟白) | ネギ(葉) | 白菜 | 土耕レタス |
ナイアシン (μg) | 0.7 | 0.2 | 微 | 0.4 | 0.5 | 0.6 | 0.2 |
ビタミンB6 (mg) | 0.23 | 0.11 | 0.08 | 0.12 | 0.13 | 0.09 | 0.05 |
葉酸 (μg) | 94 | 78 | 29 | 72 | 100 | 61 | 73 |
パントテン酸 (mg) | 1.30 | 0.22 | 0.26 | 0.17 | 0.23 | 0.25 | 0.20 |
ビタミンC (mg) | 81 | 41 | 7 | 14 | 32 | 19 | 5 |
参考:食品成分データベース
ネギ(軟白)の栄養効果
白ネギを刻むと発生するアリシンとは?
ネギの有効成分のひとつに、アリシン(硫化アリル)と言う揮発性の香り成分があります。
しかし、元々ネギにアリシンと言う成分が含まれているわけではありません。
ネギを刻んだとき、細胞が破壊されて酵素が活性化し、ネギに含まれる臭いの素の成分「アリイン」が「アリシン」に変化して発生します。
ネギ特有の辛みは、アリシンによるものです。
栄養成分比較表からわかるとおり、ネギの白い部分は緑の部分に比べると、全体的に栄養成分が少なめです。
しかし、ネギの白い部分には、アリシンの元となる成分アリインが青ネギの約2倍含まれています。
では、ネギを刻んだ時発生するアリシンには、どのような効果があるのでしょうか。
アリシンの美肌効果と健康効果
アリシンには次のような美肌効果、栄養効果が期待できます。
- 血流がアップし、毛細血管が健康になり、冷え性が改善される
- 肌のターンオーバーが活発になり、肌にハリやツヤが出る
- 体内の活性酸素を抑えて、老化を抑制する
- 冷え性や冷えからくる肩凝り、頭痛などが改善される
- 乳酸を分解して、素早く疲労を回復する
- 抵抗力がアップし、風邪や感染症を予防する
- 糖の代謝を促進し、疲労を回復する
- 動脈硬化を予防し、生活習慣病を予防する
- 血糖値の上昇を抑え、糖尿病、高血圧を予防する
- ビタミンB1の吸収を高める
アリシンは揮発性の香り成分なので、香りを嗅ぐだけでも効果を得ることができます。
ただし、アリシンは熱に弱いので、アリシンの効果を得るためには、ネギを生で食べた方が高い効果を得られます。
アリシンを効果的に摂取する食べ方については、後ほど詳しくご紹介します。
新型肺炎SARSをも寄せ付けなかったネギのパワー
中国の山東省にある章丘と言う地域は、中国有数のネギの産地で、通称「ネギの里」と言われ、日頃からネギをたくさん食べる習慣があります。
しかも、ネギを生のまま丸かじりする習慣があるようです。
数年前に新型肺炎SARS(サーズ、重症急性呼吸器症候群)が流行したとき、周囲の地域で数百人もの感染者が出たにもかかわらず、章丘ではSARSの感染者がひとりも出なかったそうです。
これは、ネギをたくさん食べる習慣があったためだと、現地の人たちは確信しているようです。
(参考)インフル・肺炎・がんに効く 世界で発見!驚異のネギパワーSP
ネギ(葉)の栄養効果
ネギの緑の部分は栄養価が高く、主にカルシウム、βカロテン、ビタミンC、ビタミンK、葉酸などが豊富に含まれています。
そこで、次のような美肌効果、栄養効果が期待できます。
- βカロテンとビタミンCが、肌の健康を維持する
- βカロテンが眼精疲労を解消し、目の病気を予防する
- ビタミンCが、コラーゲンの生成を促進させ、肌に潤いを与える
- 豊富なビタミンが、肌のターンオーバーを促進し、ハリやツヤをもたらす
- 豊富なビタミンが抗酸化力を発揮し、肌の老化を防ぐ
- ビタミンCが白血球を活性化させ、免疫力を高める
- ビタミンCやカルシウムが精神を安定させ、ストレスを緩和する
- カルシウムが骨や歯の発育を助け、骨粗鬆症を予防する
- ビタミンKは血液を凝固し、止血作用がある
- 葉酸が赤血球の増加を助けて、貧血を予防する
- 妊婦さんや授乳中の女性が摂取すると、葉酸が胎児や乳幼児の発育を助ける
このように、多くの効果が期待できます。
しかし、これだけではありません。
実は最近、ある成分に免疫力を高める効果があることが、科学的に実証されました。
(参考)インフル・肺炎・がんに効く 世界で発見!驚異のネギパワーSP
免疫力を高めるヌルとは?
新鮮な青ネギを切ると、透明でヌルヌルした甘い液体がこぼれてきます。
この液体は多糖類の一種であるムチンを主成分とし、通称ヌルと呼ばれています。
最新の研究によって、このヌルには免疫力を上げる高い効果があることが実証されました。
ヌルは、白ネギにも含まれていますが、主に青ネギやネギの緑の部分に多く含まれています。
また、白ネギの緑の部分は乾燥していますが、実はここにもヌルが乾燥した状態で含まれています。
ヌルには、ウィルスや細菌と戦う免疫物質を増殖させる働きがあるそうです。
免疫物質には、唾液や粘膜に含まれるIgA抗体、白血球の一種であるマクロファージ、がん細胞を死滅させる働きを持つリンパ球の一種、NK(ナチュラルキラー)細胞などがあります。
研究では、ヌルを摂取することで、IgA抗体が約1.5倍、マクロファージが約5倍、NK細胞が3~4倍アップしたそうです。
有効成分アリシンやヌルの効果を得るには?
ネギには、アリシンとや通称ヌルと呼ばれる有効成分があることがわかりました。
しかし、アリシンとヌルにはそれぞれ特徴があり、食べ方に注意する必要があります。
それぞれの効果を得るために適した食べ方をご紹介します。
アリシンの効果を得る適切な食べ方とは?
主に、白ネギから多く発生する香り成分のアリシンは、体温を上げて血流を良くし、肌を乾燥から守ったり、体の抵抗力をアップさせる効果があります。
アリシンは熱に弱く、加熱すると効果が弱くなるため、アリシンを摂取するには、白ネギを生で食べる方が効果的です。
また、アリシンは刻むことで発生しますので、細かく刻むほど多く発生します。
ですから、アリシンの効果を得るには、生で刻んで薬味として食べるのがお勧めです。
例えば、ネギを細かく刻んで、豆腐や納豆などに載せて食べます。
ラーメンやうどん、そばなどの温かい料理に入れる場合は、刻んだネギを食べる直前に入れるとアリシンを摂取できます。
炒め物や肉類に載せても美味しくいただけます。
アリシンには、ビタミンB1の吸収を助ける働きがあるため、ビタミンB1を多く含む豚肉などと相性が良いです。
ただし、アリシンは揮発性の成分なので、時間が経過すると効果がなくなります。
ですから、食べる直前に刻むと良いでしょう。
また、生のネギが苦手な人は、ネギを刻んで香りを嗅ぐだけでもアリシンの効果を得ることができます。
迷信じゃなかった!首にネギを巻く効果とは?
「風邪のひき初めに、ネギを首に巻くと治る」と、昔から言います。
最近では、これを迷信だと思っている人も多いようですが、実は本当に風邪を治す効果が期待できるようです。
白ネギにたくさん切り込みを入れると、アリシンがたくさん発生します。
これを肌がかぶれないようにタオルや手拭いで包んで首に巻くと、アリシンが口や鼻から体内に入って、血流を良くし、体温を上げる効果があります。
体温が上がると、免疫力もアップすると言われています。
ネギを首に巻く効果は、風邪の引き初めに有効と言われています。
寒気を感じたり、風邪かなと思った時は、一度試してみてはいかがでしょうか。
ヌルの効果を得る適切な食べ方とは?
ヌルは、寒さが強いほど甘味が増します。
ですから、冬に収穫されるネギは、一年でもっとも甘味が増して美味しくなります。
ヌルの調理方法ですが、ヌルは加熱しても冷凍してもその効果は失われないため、どんな食べ方でも効果を得ることができます。
もちろん生で刻んで薬味としても食べても良いですし、炒めたり、汁ものに入れても効果を得られます。
また、冬はネギと言えば鍋の具材としても定番ですね。
ネギをたっぷり食べれば、免疫力がアップして、風邪やインフルエンザの予防になります。
ヌルは、ネギの緑の部分に多く含まれていますので、これまでネギの白い部分しか食べなかった人は、是非、今後は青ネギやネギの緑の部分も食べることをお勧めします。
胃腸の弱い人は調理して食べよう!
ネギの有効成分アリシンは、ネギを生で刻んだ時に発生し、熱を通すと効力が弱くなります。
しかし、アリシンは刺激が強い成分なので、生で食べ過ぎると胃が荒れる可能性があります。
特に、胃腸が弱っている時は、注意が必要です。
そんな時は、ネギに火を通して食べることをお勧めします。
すき焼きや鍋料理などで、ネギを煮込むと甘味が増して美味しくなりますよね。
実は、この甘味はアリシンが加熱されて甘味成分に変化するためで、この甘味成分にも栄養効果があります。
また、アリシンは、香りを嗅ぐだけで効果を得ることができます。
ですから、胃腸の弱い人は、ネギを刻んで香りを嗅いでから調理すると、胃に負担をかけずにアリシンの効果を得ることができます。
この方法は、ネギの辛みが苦手と言う人にもお勧めです。
<まとめ>
ネギは、主に白い部分を食べる白ネギと、主に青い部分を食べる青ネギがあり、白い部分と青い部分では栄養成分が異なります。
全体的に青い部分の方が栄養成分の含有量が多くなります。
ネギには、有効成分として、アリシンとヌルがあります。
アリシンはネギを刻んだ時に発生する揮発性の香り成分で、血流を良くして体温を上げる効果があり、主に白ネギに多く含まれています。
アリシンを摂取することで、血流が良くなり、冬の乾燥から肌を保護してくれる効果が期待できます。
ヌルは、透明でネバネバした粘性の物質で、ウィルスや細菌、がん細胞と戦う体内の免疫システムの働きを高める作用があり、風邪やインフルエンザ、がんの予防に効果が期待できます。
ヌルは、主に青ネギや白ネギの緑の部分に多く含まれています。
是非、ネギのパワーで風邪から体を守り、乾燥から肌を守りましょう。
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