美肌作りや眼精疲労にも!ビタミンAが豊富なぎんなんの効果
ぎんなんは小さくても栄養満点!!美肌作りや眼精疲労の回復、他にも多くの効果があります。
ぎんなんは、銀杏の「木の実」の種の部分に当たります。小さいながらビタミンやミネラルなど多くの栄養素をバランスよく含んでおり、栄養源として、また薬として古くから食べられていました。
そんなぎんなんの効果から、殻を割るコツ、ぎんなんを食べる時の注意点まで、たっぷりご紹介します。
この記事の目次
ぎんなんの栄養効果
風邪や喘息の改善
ぎんなんは、肺を温めて咳を鎮める作用があることから、風邪や喘息に効果があると言われています。
ただし、食べ過ぎると中毒症状が出ることもありますので、食べる量に注意が必要です。
1日に5、6個程度であれば心配ないでしょう。
美肌効果
β-カロテンは、体内で必要な分だけビタミンAに変換されます。
ビタミンAは、新陳代謝を促進する働きがあり、肌のターンオーバーを活発にする働きがあります。
また、皮膚や粘膜の健康を維持し、免疫機能を正常に保つ働きがあります。
ぎんなんには、β-カロテンやミネラルが豊富なため、美しい肌を作る効果があります。
また、ぎんなんに含まれるパントテン酸はビタミンB群のひとつで、皮脂の代謝を促進し、粘膜や皮膚の健康を保つ働きがあるため、ニキビやアトピーの予防、改善に効果があります。
そして、ビタミンCは、コラーゲンの生成を促進し、皮ふや粘膜の健康を維持する働きがあります。
これらの相乗効果で、肌を若々しく美しく保つ効果が期待できます。
更に、ぎんなんに含まれるパントテン酸は、脂肪の代謝を促進する効果があり、ダイエット中の人にもお勧めです。
老化を抑制する効果
ぎんなんに豊富に含まれているβ-カロテンは、カロテノイドの一種で、高い抗酸化力を持っており、老化を抑制する効果があります。
更に、がんを予防したり、がんの進行を抑制する効果もあると言われています。
また、ぎんなんはビタミンC,Eも含んでおり、これらは活性酸素を抑えて老化を抑制する抗酸化作用を持っています。
これらの相乗効果で、アンチエイジングに高い効果が期待でまます。
視力回復効果
ぎんなんに豊富に含まれているβカロテンは、「目のビタミン」とも言われており、目の粘膜や網膜を保護して健康に保つ働きを持っています。
また、ぎんなんに含まれるビタミンCは、目の毛細血管を健康に保つ働きを持っていることから、視力を維持し、眼精疲労にも効果があると言われています。
貧血予防、改善
ぎんなんには、鉄分も含まれています。
また、ビタミンCは、鉄分の吸収を助ける働きがあり、ビタミンEには血行を促進する働きがあります。
これらの作用で、ぎんなんは貧血を予防、改善する効果があります。
疲労回復
ぎんなんには、疲労回復効果があることから、中国では古くから薬用として利用されていました。
ビタミンB1は、「疲労回復のビタミン」と呼ばれ、糖質を素早くエネルギーに変える働きをし、疲れの原因といわれる「乳酸」が体に蓄積されるのを防ぎます。
そのため、体が弱っているときや、疲れが取れにくいときなどの疲労回復に高い効果を発揮すると言われています。
むくみや高血圧の予防、改善
塩分を摂り過ぎると、血液の浸透圧を一定に保つために血液中の水分が増えて、体がむくんだり、血圧が高くなったりします。
ぎんなんには、カリウムが豊富に含まれており、むくみや高血圧の予防、改善効果があります。
カリウムには、体内の過剰な塩分を排出し、体内の水分の浸透圧を一定に保つ働きがあることから、むくみを解消して、高血圧を防ぐ効果があります。
夜尿症の改善
昔からぎんなんは、夜尿症の改善に効果があると言われています。
ぎんなんには、尿意を抑える働きがあるため、子供のおねしょにも効果がありますが、高齢者の頻尿を改善する効果もあります。
ストレス軽減、不眠症の改善
ぎんなんに含まれるビタミンCやパントテン酸は、抗ストレスホルモンが作られるのを促進する働きがあることから、ストレスを軽減する効果があると言われています。
また、たんぱく質には、神経の働きを活性化させ、精神を安定させる働きがあります。
これらの作用で、ぎんなんは、不眠症の改善にも効果があると言われています。
認知症の予防、改善
銀杏の葉には、脳血管を拡張して記憶力や学習能力を高める効果があると言われています。
また、物忘れなどを防止する効果があることから、認知症の予防、改善に効果があると言われ、ヨーロッパでは認知症やアルツハイマーの薬として使用されています。
アメリカでもイチョウ葉のサプリメントは大変人気が高く、日本でも徐々に人気が広まりつつあるようですす。
ぎんなんの食べ方
ぎんなん拾いは素手でしない
秋の終わり頃になると、イチョウの木の下に、ぎんなんが入った果実が落ちるので、ぎんなん拾いをする人をよくみかけます。
しかし、ここでひとつ注意点があります。
ぎんなんの果肉にはアレルギー物質が含まれているため、素手で触ると炎症を起こしたり、かぶれることがあります。
ですから、ぎんなん拾いをするときは、必ず手袋をしましょう。
ぎんなんは、果肉のなかに入っていますが、果肉の部分を完全に取り除くまでは手袋が必要です。
また、果肉の部分は匂いも強烈なため、ビニール袋などに入れて種だけを取り出し、袋の口をしっかり結んで廃棄しましょう。
種は、その後3日間くらい天日干しして乾燥させます。
殻を簡単に割る方法
ぎんなんは固い殻に入っているため、割るのが大変です。
そこで、専用の器具、ぎんなん割りを使うと便利です。
よく、電子レンジでチンするといいと聞きますが、そのまま電子レンジに入れると、爆発するので注意が必要です。
一番簡単で、美味しくいただける方法は、次のとおりです。
- ペンチ等で潰して、殻に割れ目を入れる
- 茶封筒に「1」のぎんなんと塩を一緒に入れ、中身がこぼれないように口を折りたたむ
- 電子レンジで約1分ほど温める
その後は、袋から出して、殻をむきながらいただきます。
殻に割れ目を入れずに温めると爆発するので、必ず殻に割れ目を入れてから温めましょう。
温める時間は、電子レンジによって異なりますが、ぽんぽんと割れる音がしたら出来上がりです。
ぎんなんの調理法
ぎんなんは、絶対生で食べないように注意が必要です。
火を通しさえすれば、どんな料理にも使えます。
ぎんなんと言えば、茶碗蒸しによく入っていますか、鍋にいれたり、味噌汁に入れても美味しくいただけます。
ぎんなんに含まれるカリウムは、煮たりするとその成分が煮汁に溶け出すと言われているので、汁ごと食べられる料理にすると、カリウムも効率的に摂れるとのことです。
また、ぎんなんに豊富に含まれているβカロテンは、脂溶性ビタミンで、油で加熱すると吸収率がアップします。
油を使って、ぎんなんを軽く炒めて、塩を振るだけでも美味しくいただけます。
野菜と一緒に炒めたり、衣をつけて揚げてもいいですね。
ぎんなんの保存方法
ぎんなんは、殻を割り、中身を塩茹でして冷凍保存すれば、長期保存が可能です。
必要なときにすぐに使えて便利です。
また、殻に入った状態であれば、冷蔵庫である程度日持ちしますが、時間が経つと綺麗な翡翠色が徐々に黄色っぽくなって、味も落ちますので、早めに食べることをお勧めします。
遅くても一月以内には食べきりましょう。
ぎんなんを食べる時の注意点
ぎんなんは、絶対に生で食べないようにしましょう。
ぎんなんには、アンチビタミン物質が含まれており、食べ過ぎるとビタミンB6を欠乏させて、鼻血が出たり、下痢やけいれんなどの中毒症状を引き起こす可能性があります。
このアンチビタミン物質は熱に弱いので、しっかり熱を通すことで中毒症状を抑えることができます。
それでも、食べ過ぎは良くないので、1日に10粒までにしまでしょう。
ぎんなんの栄養成分比較表
ぎんなん100gに含まれる営養素は、次の通りです。各種の種実類100gに含まれる栄養成分と比較しています。
※各栄養素の含有率が、最も高い数値の背景をピンクにしています。
※トコフェロールとは、ビタミンEのことです。
成分 | ぎんなん | 栗 | くるみ | ピスタチオ | マカダミアナッツ | アーモンド | ピーナッツ | カシューナッツ |
1粒の重量 (g) | 1.6 | 19 | 2 | 0.5 | 2 | 1 | 0.7 | 1.5 |
一日の適量 (g) | 16 | 100 | 20 | 20 | 20 | 20 | 20 | 20 |
エネルギー (kcal) | 174 | 167 | 674 | 615 | 720 | 608 | 585 | 576 |
たんぱく質 (g) | 4.6 | 3.5 | 14.6 | 17.4 | 8.3 | 20.3 | 26.5 | 19.8 |
トリプトファン (mg) | 77 | 45 | 200 | 270 | 96 | 220 | 不明 | 360 |
水溶性食物繊維 (g) | 0.2 | 0.3 | 0.6 | 0.9 | 微量 | 1.1 | 0.3 | 0.8 |
不溶性食物繊維 (g) | 2.2 | 6.3 | 6.9 | 8.3 | 6.2 | 10.0 | 6.9 | 5.9 |
脂質類 | ぎんなん | 栗 | くるみ | ピスタチオ | マカダミアナッツ | アーモンド | ピーナッツ | カシューナッツ |
脂質 (g) | 1.5 | 0.6 | 68.8 | 56.1 | 76.7 | 54.1 | 49.4 | 47.6 |
飽和脂肪酸 (g) | 0.15 | 0.11 | 6.87 | 6.15 | 12.46 | 4.13 | 10.76 | 9.97 |
一価不飽和脂肪酸 (g) | 0.45 | 0.06 | 10.26 | 30.92 | 59.23 | 35.09 | 20.57 | 27.74 |
n3系不飽和脂肪酸 (g) | 0.03 | 0.06 | 8.96 | 0.20 | 0.09 | 0.01 | 0.10 | 0.08 |
n6系不飽和脂肪酸 (g) | 0.53 | 0.25 | 41.32 | 16.22 | 1.47 | 12.64 | 16.72 | 8.00 |
ミネラル類 | ぎんなん | 栗 | くるみ | ピスタチオ | マカダミアナッツ | アーモンド | ピーナッツ | カシューナッツ |
ナトリウム | 1 | 1 | 4 | 270 | 190 | 微量 | 2 | 220 |
カリウム (mg) | 580 | 460 | 540 | 970 | 300 | 740 | 770 | 590 |
カルシウム (mg) | 5 | 23 | 85 | 120 | 47 | 260 | 50 | 38 |
マグネシウム (mg) | 45 | 45 | 150 | 120 | 94 | 310 | 200 | 240 |
鉄 (mg) | 1.2 | 0.7 | 2.6 | 3.0 | 1.3 | 3.7 | 1.7 | 4.8 |
亜鉛 (mg) | 0.4 | 0.6 | 2.6 | 2.5 | 0.7 | 3.7 | 3.0 | 5.4 |
ビタミン類 | ぎんなん | 栗 | くるみ | ピスタチオ | マカダミアナッツ | アーモンド | ピーナッツ | カシューナッツ |
βカロテン当量 (μg) | 290 | 37 | 23 | 120 | 微量 | 9 | 7 | 10 |
αトコフェロール (mg) | 1.6 | 0 | 1.2 | 1.4 | 微量 | 28.8 | 10.6 | 0.6 |
γトコフェロール (mg) | 0.3 | 3.3 | 23.6 | 25.5 | 0 | 0.7 | 7.1 | 5.4 |
ビタミンK (mg) | 3 | 0 | 7 | 29 | 5 | 0 | 微量 | 28 |
ビタミンB1 (μg) | 0.26 | 0.17 | 0.26 | 0.43 | 0.21 | 0.03 | 0.23 | 0.54 |
ビタミンB2 (μg) | 0.07 | 0.08 | 0.15 | 0.24 | 0.09 | 1.04 | 0.10 | 0.18 |
ビタミン類 | ぎんなん | 栗 | くるみ | ピスタチオ | マカダミアナッツ | アーモンド | ピーナッツ | カシューナッツ |
ナイアシン (mg) | 1.0 | 1.0 | 1.0 | 1.0 | 2.1 | 3.9 | 17.0 | 0.9 |
ビタミンB6 (mg) | 0.02 | 0.26 | 0.49 | 1.22 | 0.21 | 0.08 | 0.46 | 0.36 |
葉酸 (μg) | 38 | 76 | 91 | 59 | 16 | 48 | 57 | 63 |
パントテン酸 (mg) | 1.02 | 1.06 | 0.67 | 1.06 | 0.50 | 0.26 | 2.19 | 1.32 |
ビタミンC (mg) | 23 | 26 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
参考:食品成分データベース
<まとめ>
ぎんなんは、小さいながら栄養がぎっしり詰まっています。忙しい人には、すでに茹でてあり、すぐに食べられるぎんなんを購入すると便利です。
ぎんなんは、翡翠のような綺麗な緑色も魅力のひとつです。料理のアクセントとして活用してもいいですね。意外と癖がなく、どんな料理にも合いますので、いろいろ試してみてください。