【キャベツ】老化を抑制し、肌にも胃腸にもやさしいキャベツの栄養効果と調理のコツ
キャベツは一年中手に入る身近な食材。
胃腸に良いことは知られていますが、実はビタミンCが豊富で、美肌効果も高いのです!
そんな肌にも胃腸にもやさしいキャベツの栄養成分、効果、そして調理のコツなどをご紹介します。
この記事の目次
季節によって固さや味が変わる?!
キャベツはアブラナ科の野菜で、一年を通して食べられます。
季節ごとに春キャベツ、夏キャベツ、冬キャベツなどと言われ、それぞれ特徴があります。
春キャベツは、葉が柔らかくて巻きが緩く、ふわっとしています。
味も甘味があるため、サラダなどの生食にしても美味しくいただけます。
冬キャベツは、ぎっしりと葉が詰まっており、潰れたような扁平型をしています。
歯ごたえがあり、煮崩れしにくいので、ロールキャベツなどの煮込み料理に向いています。
夏から秋にかけてのキャベツは、比較的巻きが強く、春キャベツと冬キャベツの中間くらいの歯ごたえになり、どんな料理にも合います。
また、よく見る黄緑色のキャベツの他に紫色のキャベツもあり、紫キャベツとか赤(レッド)キャベツと呼ばれています。
そこで、通常のキャベツと紫キャベツの栄養成分、効果、そして美味しい食べ方などをご紹介します。
キャベツの栄養成分比較表
キャベツ100gに含まれる営養素は、次の通りです。
冬が旬の淡色野菜100gに含まれる栄養成分と比較しています。
※各栄養素の含有率が、最も高い数値の背景を赤にしています。
※トコフェロールとは、ビタミンEのことです。
成分 | カリフラワー | キャベツ | 紫キャベツ | セロリ | ネギ | 白菜 | 土耕レタス |
エネルギー (kcal) | 27 | 23 | 30 | 15 | 34 | 14 | 12 |
たんぱく質 (g) | 3.0 | 1.3 | 2.0 | 0.4 | 1.4 | 0.8 | 0.6 |
炭水化物 (g) | 5.2 | 5.2 | 6.7 | 3.6 | 8.3 | 3.2 | 2.8 |
水溶性食物繊維 (g) | 0.4 | 0.4 | 0.6 | 0.3 | 0.3 | 0.3 | 0.1 |
不溶性食物繊維 (g) | 2.5 | 1.4 | 2.2 | 1.2 | 2.2 | 1.0 | 1.0 |
アミノ酸 (mg) | 2400 | 1100 | 1500 | 410 | 1100 | 700 | 540 |
ミネラル類 | カリフラワー | キャベツ | 紫キャベツ | セロリ | ネギ | 白菜 | 土耕レタス |
ナトリウム (mg) | 8 | 5 | 4 | 28 | 微 | 6 | 2 |
カリウム (mg) | 410 | 200 | 310 | 410 | 200 | 220 | 200 |
カルシウム (mg) | 24 | 43 | 40 | 39 | 36 | 43 | 19 |
マグネシウム (mg) | 18 | 14 | 13 | 9 | 13 | 10 | 8 |
鉄 (mg) | 0.6 | 0.3 | 0.5 | 0.2 | 0.3 | 0.3 | 0.3 |
亜鉛 (mg) | 0.6 | 0.2 | 0.3 | 0.2 | 0.3 | 0.2 | 0.2 |
ビタミン類 | カリフラワー | キャベツ | 紫キャベツ | セロリ | ネギ | 白菜 | 土耕レタス |
βカロテン (μg) | 18 | 49 | 36 | 44 | 82 | 92 | 240 |
トコフェロール (mg) | 0.2 | 0.1 | 0.1 | 0.2 | 0.2 | 0.2 | 0.3 |
ビタミンK (μg) | 17 | 78 | 29 | 10 | 8 | 59 | 29 |
ビタミンB1 (μg) | 0.06 | 0.04 | 0.07 | 0.03 | 0.05 | 0.03 | 0.05 |
ビタミンB2 (μg) | 0.11 | 0.03 | 0.03 | 0.03 | 0.04 | 0.03 | 0.03 |
ビタミン類 | カリフラワー | キャベツ | 紫キャベツ | セロリ | ネギ | 白菜 | 土耕レタス |
ナイアシン (μg) | 0.7 | 0.2 | 0.3 | 微 | 0.4 | 0.6 | 0.2 |
ビタミンB6 (mg) | 0.23 | 0.11 | 0.19 | 0.08 | 0.12 | 0.09 | 0.05 |
葉酸 (μg) | 94 | 78 | 58 | 29 | 72 | 61 | 73 |
パントテン酸 (mg) | 1.30 | 0.22 | 0.35 | 0.26 | 0.17 | 0.25 | 0.20 |
ビタミンC (mg) | 81 | 41 | 68 | 7 | 14 | 19 | 5 |
参考:食品成分データベース
キャベツの栄養効果
栄養成分比較表からわかるとおり、キャベツはビタミンK、ビタミンCが豊富です。
その他のビタミン類も比較的豊富に含まれています。
食物繊維やカルシウムも多くはありませんが、淡色野菜の中では比較的多く含まれています。
また、表にはありませんが、キャベツにはビタミンU(キャベジン)が含まれています。
これらのことから、キャベツは次のような効果が期待できます。
美肌効果
キャベツはビタミン類が豊富で、次のような効果が期待できます。
- ビタミンCがコラーゲンの生成を促進し、肌にハリやツヤを出す
- ビタミンCがメラニン色素の合成や沈着を抑制し、シミを防ぐ
- βカロテンが皮膚の健康を維持する
- 豊富なビタミンが高い抗酸化力を発揮し、肌の老化を防ぐ
紫キャベツの方がビタミンCが豊富に含まれていますが、βカロテンは黄緑色のキャベツの方が豊富です。
健康効果
キャベツには、次のような健康効果が期待できます。
- キャベジンが胃酸の分泌を抑えて、胃の粘膜を修復し、胃炎や胃潰瘍を予防する
- キャベジンが二日酔いを予防する
- 豊富なビタミン類が粘膜を強化し、免疫力を高める
- ビタミンKは血液を凝固し、止血作用がある
- ビタミンKやカルシウムが、骨を強化する
- ビタミンCやカルシウムが、イライラを抑えて、神経を安定させる
- ビタミンCが疲労を回復する
- 豊富なビタミンが高い抗酸化力を発揮し、体調不良や様々な病気を予防する
- 食物繊維が腸内環境を改善し、下痢や便秘を改善する
- 葉酸が赤血球の増加を助けて、貧血を予防する
- 妊婦さんや授乳中の女性が摂取すると、葉酸が胎児や乳幼児の発育を助ける
また、紫キャベツには、ポリフェノールの一種「アントシアニン」と言う紫色の色素成分が含まれています。
アントシアニンは、動脈硬化や眼精疲労に効果があります。
キャベツを美味しくいただく調理のコツ
キャベツの芯はビタミンCが豊富!
キャベツの芯は苦手な人が多いようで、捨ててしまう人もいるようです。
しかし、キャベツの芯にはビタミンCが豊富に含まれています。
是非、捨てずに食べましょう。
キャベツの芯は、薄切りにすると食べやすくなります。
千切りにして生で食べても美味しくいただけますし、スープにしてもすぐに柔らかくなるため、短時間でできあがります。
特にキャベツの炒め物は、芯だけ固くて食べにくいことがありますが、薄切りにすることで火が通りやすくなるため、芯も食べやすくなります。
内側に行くほど水分が豊富!
キャベツは、外側の方が水分が少なく、内側に行くほど水分が豊富です。
また、栄養成分も外側はβカロテンが豊富で、内側に行くほどビタミンCが増えます。
βカロテンは油と相性が良いため、外側の葉は加熱料理に向いており、ビタミンCが豊富な内側の葉は生食に向いています。
また、春キャベツは最も水分が多くなり、生で食べるのに向いています。
春キャベツを加熱する場合は、すぐに火が通るので、短時間でサッと炒める、または茹でるようにしましょう。
加熱時間が長くなると、しんなりしてしまいますので気を付けましょう。
紫キャベツの食べ方は?
紫キャベツは流通量が少ないため、スーパーで見かける機会も少ないと思います。
しかし、サラダに千切りの紫キャベツが入っているのを見かけることは多いと思います。
見た目が華やかになりますよね。
実際、紫キャベツは生で食べるのに向いています。
紫キャベツにはビタミンCやアントシアニンが豊富に含まれていますが、どちらも熱に弱く水に溶けやすいため、ビタミンCやアントシアニンを摂取するには、生で食べるのが最も効率良くなります。
また、炒めても美味しくいただけますが、茹でるときは注意が必要です。
紫キャベツを茹でたり煮込み料理に使用すると、アントシアニンが水分に溶けてスープの色が濁ってしまいます。
ですから、茹でたり煮込み料理にする時は、黄緑色のキャベツの方が向いています。
◆まとめ
キャベツはビタミンCをはじめとするビタミン類が豊富なので、美肌効果が高い食材と言えます。
コラーゲンの生成を促進し、シミやシワを防ぐ効果や、肌の老化を防ぐ効果が期待できます。
ビタミンCには美肌効果の他に、疲労回復効果、風邪予防、ストレス緩和などの効果もあります。
また、ビタミンU(キャベジン)の働きで、胃腸にも優しいため、胃腸の弱い人は特に意識して食べると良いでしょう。
紫キャベツの方が、通常の緑色のキャベツと比較して、ほとんどの栄養成分の含有量が多く、栄養価が高いと言えます。
しかし、黄緑色のキャベツがどんな調理にも向いているのに対して、紫キャベツは生で食べるのに向いており、調理にはあまり向いていません。
キャベツは一年中手に入り、栄養価も高いので、積極手に食べることをお勧めします。